暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第184話 強さの意味
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迫る弾丸。それを捕える事、それ事態が有り得ない。

 何かをするかと思ったが、まさかここまでとは思えなかった。撃つ瞬間、即ち あの上に弾いたSAAの弾薬がアスファルトの地面に接地した瞬間に動くものだと、思っていた。だが、シノンが撃つその瞬間まで、彼が動く素振りは……みせなかったと思う。自分の指が、へカートの引き金を絞る方が早かった筈だ。後の先を捉えた、とでも言うのだろうか?


――つ、強い。強すぎる。


 シノンの中に芽生えた気持ちはその言葉だけだった。この男が、リュウキがしてのけたのだから、キリトだってやってのけるだろう。あの光剣であれば、或いはへカートの弾を斬れるかもしれない。でも、ナイフであれば押し負ける可能性だってあり得る。それを加味した上での受け流しだから。

 シノンはへカートを使いこなす事が出来れば、あの時の男。即ちリュウキの身内である男と、良い勝負が出来る、と思っていた。

 だから、この冥界の女神を相棒と呼べる程までに、使いこなせる様になれた、と思う。……その自信を根刮ぎ吹き飛ばされた気分だった。

「なんで、私が左脚を狙ったって判ったの……? 右かもしれないし、脚とは限らなかったじゃない……」

 へカートのインパクト・ダメージは身体のどこに当たったとしても、HPを全て奪う。だから、手先であっても、問題無いのだ。なぜ、リュウキは左脚だと言う事が判ったのだろうか? それが知りたかった。

「シノンの狙い、それが視えた。システム・アシストがあったとしても、銃は基本的に銃口を向けた方向にしか飛ばない。ある程度離れた場所からであれば、現実で言えば環境の差異で変わる。この世界では着弾予測円(バレット・サークル)によるランダムもある程度ある。……が、これだけの近距離であれば、その銃口の延長線上、……そこに必ず当たるんだ」
「なっ……そんな、僅かな 傾きだけ、で?」
「後は、シノンの目も視えた。……引き金(トリガー)を絞るその気の瞬間も。……正直、反応の速度は、あいつと比べるべくも無いが、視る事で多少は補える」

 シノンは再び驚愕した。何度驚いたか、もう判らない。

 確かに、狙いをつける時は、へカートの長い銃身の向きが僅かながら変わる。1cm、いや距離によれば1mm単位のズレで大きく変わる。だから、目測程度でそんな事を瞬時に見える筈がない。この空間を上から見ている。……それも立体的に詳細を全て見えていて、即座に解析。弾道を自らの目測だけで 把握し切った。そんな事が本当に可能、なのだろうか?

 恐ろしいまでの空間認識能力だ。どれだけ、信じられなくても、この男は体現している。……そして、恐らくこの男、リュウキと五角の戦いを繰り広げていたキリトも、同じ様な事が出来るのだということは判る。シノン
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