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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第9話 猟兵と騎士
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のか!!」


 確かに私が目の前の男に勝つ確立など万が一も無いのは承知だ、だが如何にも格下のように言われて怒りを抑えていられる程私は大人ではなかった。


「なんだ違うのか?相手の力量も測れず感情的になって向かってきたのはお前さんだろうに」
「……」


 相手の正論に何も言えなかった…その通りだったからだ。


「……なあ嬢ちゃん。俺はな、嬢ちゃんの言うとおり色んな事をしてきた、汚れ仕事なんざ腐るほどやってきた。でもな、俺と『リィンとフィー』を一緒の目で見るのは止めてやってくれ」
「……えっ?」
「特にリィンだがあいつは私欲の為に猟兵になった訳じゃない、あいつは……大切な者を守れなかった、だから力を求めて猟兵になったんだ」


 リィンが守れなかった者?それは一体……


「あの……」
「おっと、これ以上は言えないな、続きは本人から聞いてくれ」
「えっ?」


 その時だった、林の向こうから誰かが此方に向かってきた。あれは……


「あ、ラウラ!」
「やっと見つけた」
「リィン、フィー……」


 な、何故二人がここに?この場所は私しか知らないはずなのに。チラリとルトガー殿を見るが彼は音も無く消えていた、一体何処に?いや今はリィン達だ。



「クロエがラウラがここにいるって教えてくれたの」


 クロエか、確かに彼女ならここを知っていてもおかしくないな。


「ラウラ、まずは一言言わせてほしい。黙っていて済まなかった!!」
「わたしもごめんなさい……」


 リィンとフィーはそういうと頭を下げる。


「な、何を……」
「僕達は猟兵だっていう事を隠していた、そのせいで君を傷つけてしまった、謝っても許してもらえないと思う。それでも言わせて欲しい、隠していて本当にゴメン!」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい……」


 リィンは真剣に、フィーは涙を流しながら頭を下げていた。


「や、止めてくれ……私はそなた達に頭を下げられるような人物じゃない。そなた達の事を考えれば猟兵だという事を隠すのは当然だ。それなのに私は感情的になってそなた達に酷い事を言ってしまった、謝るのは私のほうだ」
「ラウラ……」


 私は自分の方こそ悪いと二人に頭を下げる。


「リィン、私は先ほどそなたの父上に出会った」
「え、団長に……?」
「ああ、私は無謀にも戦いを挑んでしまった。軽くあしらわれたがな……」
「ははッ、なんか奇遇だね。僕もさっき君の父さんと仕合をしたよ、ボロ負けだったけどね」
「何とそうだったのか、確かに奇遇だな」


 まさかリィンも父上と試合をしていたとは……凄い偶然だな。


「うん、でも子爵のお陰で僕は大事
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