第9話 猟兵と騎士
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った。私は本当にリィンとフィーを理解したのか?本当に彼らの事を理解できているのか?私は……
『ラウラ……あなたは生きて……私の可愛いラウラ……』
『母上……母上―――――!!!』
いや、猟兵は悪だ、悪でしかないのだ……!
「何と言われようと猟兵は悪だ!」
「……なるほど、何か事情があるみたいだな。なあ壌ちゃん、一つ賭けをしないか?」
「賭けだと?」
「ああ、今から十分間俺は何もしない、もしその間に俺に傷一つでも付けれたら俺を遊撃士なり軍なりに突き出して構わない」
「何だと、そなた正気か?」
「勿論だ、だが賭けっていうもんは対等じゃなきゃ意味がねえ……もし十分が過ぎたらその時はお前の命を貰うぞ?」
「構わぬ、騎士とは弱き者を守る者……悪を倒す為なら命など惜しくない!!」
「はッ、言うじゃねえか。戦いのたの字も知らねえ小娘がよぉ……!」
ゾワッ!!
な、何だ、この殺気は……剣を持つ手が震える、い、息が出来ない……!?
「何だ、震えてるぞ?さっき言った言葉は嘘だったのか?」
負けられない、私は猟兵にだけは死んでも負けられない……!
「行くぞ!!」
バッ!
私は剣を構えルトガー・クラウゼルに向かっていった。
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side:リィン
「ラウラ…町にもいないなんて……」
ラウラを探してレグラムの町まで来たがここでもラウラを見つける事は出来なかった。
「リィン、もしかしたらラウラは森に行ったのかな?」
森か、もしそうならあの霧の中を探すのは困難だぞ。どうしようか……
「あら、貴方達、一体何をしてらっしゃるの?」
僕達に声をかけてきたのはクロエだった。そうだ、クロエならラウラの居場所に心当たりがあるかも知れない、彼女に全てを話そう。
「クロエ、君に話があるんだ」
「気安く名前を呼ばないでくださる?……と言いたい所ですけど何やら真剣そうな話みたいですわね」
「ああ、実は……」
僕はクロエに全てを話した、自分達が猟兵だったこと、そのせいでラウラを傷つけてしまったこと、子爵との仕合したこと、そしてラウラに自分達の事を話したいということ全部を……
「……なるほど、話は分かりました。ですがまさかお二人が猟兵だったとは思いませんでしたわ」
クロエはそういうと何かを考えるような表情を浮かべた。
「……一ついいでしょうか?貴方達はお姉さまを悪意をもって騙した訳ではないと言い切れますか?」
「確かに僕達がラウラを騙していて結果的
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