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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第9話 猟兵と騎士
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ならこの男から凄まじい闘気を感じ取ったからだ。


「まさか、そなたはリィンとフィーの……」
「ああ、あいつらの父親をやらせてもらってる。ルトガー・クラウゼルだ」


 ルトガー……父上から聞いたことがある、このゼムリア大陸に存在する多くの猟兵、その中でも最強と言われる猟兵の王『猟兵王』ルトガー・クラウゼルか!?


 私は直に剣を構える。


「おいおい、いきなり物騒だな」
「黙れ!猟兵がレグラムに何のようだ、何を企んでいる!」


 剣を突きつけて叫ぶ私、だが目の前の男は全く動じていなかった。


「何って慰安旅行かな?」
「ふざけるな!私は真面目に聞いておるのだぞ!」


 はっはっはと笑うルトガー・クラウゼル、その行為が余計に私を怒りに染める。


「何だ嬢ちゃん、お前さん、よっぽど猟兵が嫌いなんだな」
「当たり前だ!そなた達猟兵はミラの為ならどんな悪行すら手に染めるという、弱き者を欲望のままに虐げる……そんな奴らを許せるものか!!」
「ん〜まあ確かに嬢ちゃんの言う通りだな。猟兵はミラの為に戦い、破壊して奪い去る。嫌われてもしょうがない連中だ」
「そうだ、猟兵は悪だ。リィンもフィーも猟兵だった……二人も悪だったのだ!信じていたのに彼らは私を裏切ったのだ!!」


 リィンもフィーも私には何も話してくれなかった……それが何よりも辛かった。


「何だ、つまり嬢ちゃんは二人が正体を隠していたことにキレてるのか?まあ許してやってくれよ、猟兵がおいそれと一般人に正体を話す訳にはいかないんだ」
「それは疚しいがあるからだろう!リィンもフィーも何か企んでいたから隠していた、そうじゃなければ私に隠したりなど……」
「だがよ嬢ちゃん、もし仮に二人が正体を明かしていたら嬢ちゃんは二人を受け入れていたのか?」
「そんな事は……そんなこと……」


 『当たり前だ』……その言葉が何故か言えなかった、もし二人が私に正体を話していたら私は……


「嬢ちゃんは二人を嫌悪した……そうじゃないか?」
「……!?ッ」


 彼の言葉が胸に突き刺さる。私は違うと言いたかった、でも言えなかった。


「図星を言われて言葉もないか?」
「!?ッ……黙れ!!!」


 ブンッ!


 私は横なぎに剣を振るう、だがルトガー・クラウゼルは容易くかわす。


「おいおい逆ギレかよ、それでも貴族の娘か?」
「煩い!そなたに私の何が分かる!」
「分かるさ、嬢ちゃんが狭い視野でしか物事を見えてないことがな。嬢ちゃんは『猟兵』という一つの存在に捕らわれすぎだ、本当にリィンとフィーを理解したのか?『猟兵』じゃなく『個人』として?」


 そう言われた私は思わず足を止めてしま
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