第9話 猟兵と騎士
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だ?」
「決まっています、ラウラに会って僕の事を知ってもらいたい、ラウラとちゃんと向き合いたい、だから行きます」
「わたしもリィンと同じ気持ち」
「そうか、なら行くがよい。ラウラを頼んだぞ」
「「はい!」」
僕達は子爵に礼を言って屋敷を後にした。
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side:ラウラ
「はあ、私は何をしているのだ……」
屋敷から逃げ出した私はエベル街道の外れにある小川の近くにいた。昔、何か嫌なことがあるとよく母上が連れてきてくれた場所だ、もっとも今では一人で通っているが……
リィンとフィーが猟兵だと知って最初に思ったのは「何故リィンとフィーが猟兵をしている」ということだった。
私は二人の事を信頼していた、のほほんとしているが強い信念を持っているリィン、そして兄を思いやる優しい心を持つフィー……
そんな二人だからこそ私は心を許していった、だが二人が猟兵と知り私は裏切られたように思ってしまった。
猟兵、戦場を渡り歩き戦争に介入することを生業としている者達。ミラのためなら如何なる非道も容易く行う、それが私の猟兵に対するイメージだ。
父上はやむなく猟兵になる者もいるというがそれでも納得できなかった。どんな理由があろうと弱者を虐げていい理由にはならないはずだ、頭では理解できても心は納得できなかった。
「はぁ……」
ガサガサッ
その時だった、近くの茂みが揺れだした、まさか魔獣か?私は剣に手をかけるが……
「おお〜?また道に出られなかった、この辺霧が濃すぎだろう……」
茂みから出てきたのは無精髭を生やし黒いジャケットを着た男性だった。
「お、丁度いい所に人がいたな。なあ嬢ちゃん、レグラムの町ってどう行くか知ってるか?」
「え、あちら側に行けばレグラムに続くエベル街道に出るから後は街道灯に従って行けばレグラムにつきますが……貴方は旅の方ですか?」
「まあそんな所だ」
なるほど、旅の人だったか。この辺りは霧が濃く見慣れている者でも迷ってしまう事があるから旅人などがこのように森を彷徨うことも多い。彼もその一人なのだろう。
「良かったらレグラムまで案内しましょうか?」
「いいのか?息子達の様子を見にいこうとしていて迷っちまうなんて思わなかったから助かるよ」
「レグラムに息子殿がいらっしゃるのですか…?」
むう、レグラムにそのような者がいたのか?覚えがないが……
「ああ、今丁度その町にいるんだ。そういえば、息子達が世話になってるみたいだな……光の剣匠の娘さん」
バッ!!
私は直に目の前の男から離れた、何故
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