第9話 猟兵と騎士
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溢れてきた。
「焔の太刀!!」
僕の全力の一撃が子爵に向かって放たれた、それに対し子爵は剣を頭上に構えた。
「うおおおぉぉぉ―――――!」
「……せりゃあッ!!」
ガギィィィン!!
「……」
「……」
互いの一撃が交差して僕と子爵は背中あわせになる。ははっ、やっぱり光の剣匠の名は伊達じゃなかった……!
ガクッ
凄まじい衝撃が体に流れ溜まらず僕は膝をついた。
「リィン!」
フィーが僕の側に駆け寄ってくる、その瞳からは大粒の涙が流れていた。ごめんねフィー、悔しいけど勝てなかったよ……
「リィン、そなたの最後の一撃、中々のものだったぞ」
「ヴィクター子爵……」
僕は全力で戦った、でも子爵の足元にも及ばなかった。これが最強クラスの剣士……最後にこんな凄い人と仕合が出来てよかった。
「子爵、無礼を承知でお願いがあります。僕はこのまま大人しく投降するのでどうかフィーだけは見逃していただけないでしょうか?」
「リィン、そんな駄目だよ……」
「でも僕達の正体がばれてしまった以上こうするしか君を助ける方法は……」
「嫌、そんなの嫌……リィンが捕まるならわたしも一緒に捕まるよ」
「フィー、でも……」
俺はフィーだけでも見逃してもらえないかと子爵に悲願した、だがフィーは首を横に振って自分も捕まると言い出した。どうすればいいのだろうか……
「……そなた達、先ほどから何を騒いでいるのだ?」
……えっ?子爵の言葉に僕は呆気に取られた。フィーも開いた口が塞がらない、といった顔をしていた。
「あの、子爵は僕達が猟兵だって知ってるんですよね?」
「うむ、先ほどそなた達から話を聞いたから知っている」
「じゃあ何故僕達を捕らえようとしないんですか?」
子爵はよく分からない、というような表情を浮かべる。あれ、僕がおかしいのかな?
「そもそも何故そなた達を捕らえる必要があるのだ?」
「いや、僕達は猟兵だから……世間からすれば悪党なんですよ?」
「猟兵が世間からどのように思われているのかは私も知っている、だがそれは世間の思うことだ。私はレグラムを治める領主としてこの町を守る立場にある、もしそなた達がこの町で悪事を働いたなら私はそなた達を捕らえよう。だがそなた達はそのような事は一切していない、故にそなた達を捕らえる理由は無い」
「「………」」
子爵の言葉に僕とフィーは驚いていた、今まで猟兵と知られたら殆どは『悪』として僕達を見る人ばかりだった、だからこそ子爵の言う言葉に驚きを隠せなかった。
「確かに猟兵なら汚れた仕事もする、そういった意味ではそなた
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