第9話 猟兵と騎士
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」
ラウラはそう言って頭を下げた。
「ラウラ、そんなのお互い様だよ」
「うん、わたし達も隠し事をしてたしラウラだけが悪くないよ」
「いや素直に話してもらっていてもきっと私は受け入れなかった。ルトガー殿には教えられたよ、『猟兵』という言葉ではなく『個人』としてそなた達に向き合えとな」
団長……本当に貴方はカッコよすぎですよ。
「リィン、フィー、改めてお願いがある。勝手な願いだがもう一度私と『親友』になってくれないか……?」
「それは無理だよ」
「そうか……」
「だってもう僕達はもう親友じゃないか」
「……えっ?」
ラウラは驚いた表情を浮かべた。
「お互いに話し合って認め合えた…なら僕達はもう親友じゃないか、ねえフィー?」
「うん、わたし達とラウラは本当の親友だよ。ね、ラウラ」
「リィン、フィー……うむ!」
ラウラは力強く頷いた、とても綺麗な笑みを浮かべながら……
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side:ルトガー
「ったく、ようやく仲直りしたか……」
俺はリィン達から離れた高台で三人を見ていた、これであいつらも真の友になったというわけか。前にリィンに冷たい態度を取っちまったからお節介を焼いたが……まあ後はあいつら次第だな。
「子の成長はいつ見ても嬉しいものだ。そう思わないか、猟兵王殿?」
背後から声が掛けられる。
「何だ、アンタも来ていたのか。光の剣匠さんよ?」
俺に声を掛けてきたのは光の剣匠、ヴィクター・S・アルゼイドだった。
「猟兵王殿、そなたには礼を言わねばならん、そなたのお陰でラウラは成長できた」
「俺は何もしてないさ、それはお嬢ちゃん自身が気づけた事……そんな事を言ったら俺だって息子が世話になったじゃねえか」
「私はきっかけを与えたにすぎない、リィン自身が気づいたからこそ彼は成長した。ふふっ、確かに私たちは何もしていないな。ラウラも良き友人と出会えた、きっとアリーシャも喜んでくれているだろう」
「アリーシャ……アンタの奥さんか?」
「ああ、私にはもったいない程の良き妻だった。故に彼女を死なせてしまった事をずっと後悔していた……私はアリーシャと約束した、ラウラを立派な剣士にすると。だがあの子は『猟兵』という言葉に捕らわれてしまっていた、私ではそれを諭してやることは出来なかった。だからこそ彼らには感謝している。まさか猟兵に救われるとは思ってもいなかったがな」
「ははっ、そうだな」
子爵はそういうと俺に背を向けた。
「行くのか?」
「少し用事が出来てな、直にレグラムを発たねばならぬ」
「そうか、貴族様
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