暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
102話:動き出す欲望
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れ以上好き勝手できると思うなよ?」


 そう言って彼―――門寺 士は腰にある箱から、一枚のカードを取り出し構えた。
 それが何を示すか……二人は今後の事を思い、表情を歪めた。


 何せ自分達の相手は、彼の有名な―――“世界の破壊者”なのだから。












 ―――一方、その頃。

 士の指示によって、ヴィヴィオを連れていち早く非難を開始していた、アイナとザフィーラ。
 早めの対応によって、二人は六課の隊舎から無事に退避でき、士が予め用意していた避難所へと向かっていた。

 ………だが、


「―――ッ、止まってくれ」
「え…?」


 何かに感づき、立ち止まるよう言うザフィーラ。それとほぼ同時に、二人の目の前に灰色のオーロラが立ち上がる。

 コツ…コツ…、と。
 オーロラの奥の方から聞こえてくる、不気味なぐらい綺麗な足音。明らかに味方ではないであろう足音の主に、警戒を強めるザフィーラと、ヴィヴィオを強く抱えその少し後ろへと下がるアイナ。

 そして遂にオーロラから足が、腕が、胴体が露わになる。


「………え…?」
「ッ……!?」


 その全容が明らかになる。その姿を見て、アイナは思わず声を上げ、ザフィーラは驚愕の表情を―――

 と、次の瞬間、突如アイナが力なく倒れ始めた。
 驚いたザフィーラだったが、アイナはヴィヴィオともども倒れることはなかった。

 何故なら……先程現れた“奴”が、身体を支えていたからだ。


「貴様ッ…!」
「…………」


 すぐさま攻撃態勢に入るザフィーラだったが、“奴”はヴィヴィオをアイナの手から奪い取ると、用済みとでも言うのか、アイナをザフィーラの方へ投げた。


「くっ…!?」


 このままでは支えきれないと判断したザフィーラは、獣から人型へと変身し、アイナを受け止める。どうやら手刀か何かで、気絶させられたようだ。
 ザフィーラはそれを確認するとそのまま少し後退し、アイナを横へ寝かせる。しかしその間も、目線は“奴”に向けたまま警戒は解かない。

 対する“奴”はというと、脇にヴィヴィオを抱えザフィーラと向かい合っていた。
 いや、どちらかというと見られているから見返す、と言った感じの方が近いだろうか。


「その子を……ヴィヴィオを返してもらうぞ!」
「…………」


 ザフィーラはそう言うと、騎士服を展開。拳を構え、臨戦態勢を取った。
 敵意を向けられた“奴”は、それに応えるように腰にあるものを手に取り、剣として構えた。

 雄叫びを上げ、飛び出すザフィーラ。対して“奴”は、静かに標的を定め、剣を振るった。
 二者の攻撃がぶつかり合い、戦闘が開始
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