解かれる結び目 6
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信じられない。命の代償が笑顔だって言うの?
魔王を倒す代わりに笑って……なんて、どう考えても釣り合わない。そんなのおかしい。もし本当に本心からそんな風に思っているのなら。
「ホリードさん達のほうが、私よりずっと、本物の神様みたい」
神々に祝福された人間。唐突に異種族間戦争の矢面に立たされた、まだ十代の少年少女達。
……そうよ。子供なのよ。
男性女性と形容してもおかしくない体つきになりかけてるけど。いえ、一人はどっちつかずに見えるけど。年齢だけで言えば私と変わらない子供なのに。
強い。
三人は凄く強い。
生き抜いて来た力も、精神も。
私と比べるなんて失礼だと思うくらい、強い。
「……仲間なんかじゃない。私は、貴方達みたいに強くない……っ」
皆が悲しむのは嫌。苦しむのも嫌。
例えばエルンストが苦痛に顔を歪めていたら、私は胸を痛める。どうしたの? どうしたら良い? って思う。
でも、思うだけ。苦しんでる彼の目の前でオロオロするしかできない。手を貸したくても、どう貸して良いのか判らなくて。彼の大丈夫だよって言葉を待つだけで終わるんだわ。
だけど、貴方達ならきっと迷わずに手を差し出す。肩を貸して、適切な行動を取る。苦しむ彼にちゃんと必要な処置と言葉を掛けて、安心させてあげられる。私にできない事を当たり前に熟してしまうんだ。
恥ずかしい。
自分のこれまでの言動の総てが。考え方が。どれだけ周りに不誠実だったか。
きっと今この瞬間も、恥を上塗りしてる。
「……強くなりたい……」
ほんの少しでも良い。今より強くなりたい。貴方達の強さに近寄りたい。
貴方達みたいにとは言わない。それは貴方達のこれまでを軽く見るのと同じだから。
でも…近付きたい。
責任から逃れたがる自分に勝ちたい。
恐怖を受け入れる私になりたい……!
小さな演奏会が終わってどれだけの時間が経ったか。集まっていた人影は疎らになり、三人も神殿側の客室に戻って行った。
開いたままの窓から身を乗り出して空を見上げれば、もうすぐ澄んだ紫色に変わる頃。神殿勤めの騎士達が、中庭の各所に設置された燭台に火を点し終えたようだ。
……話を聴いてみたい。粗筋の冒険譚じゃなく、ホリードさん達の心境とかそういう話を。直接会って聴いてみたい。
見回りの時間は大体決まってるから、それさえやり過ごせば神殿に入るのは難しくない筈。慎重に、バレないように移動しよう。
屋敷の中では普通に振る舞う。このくらいの時間ならたまに出歩いてるし、不審には思われない。
問題は、お客様が居る時にお役目以外で神殿へ入る事。
大神官様に知られたら、明日のお役目の時間になるまで監禁されかねない。気を付けなきゃ。
廊下をちょっと歩いた所で周
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