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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第183話 言いたかった言葉
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があるのだというのだろうか?と。もう、へカートの弾丸は発射された。音速を超えるその銃弾は、如何に時が止まったかのようなゆっくりと流れる世界でも、そんな遅い筈がない。1発撃てば、全てが終わる筈だった。
ただ、目の前に広がるのは……有り得ない光景だった。
「………」
リュウキが、立っていた。それは間違いない。だが、この光景はどう説明がつく?へカートは確かに咆哮を上げた筈なのに。シノンは、それらが頭に流れ出て、行動が遅れ、言葉も詰まる。
そして、その呪縛から解放されたのはその後。
「なっ……!?」
シノンは、慌ててへカートを手放すと、腰に挿したグロッグに手を伸ばした。だが、その所作をするには、時間をかけすぎた様だ。
ほんの刹那の時間前。
リュウキは確かに目の前に、10m先にいた筈だ。だが、その本人がもう目の前に迫っていた。シノンは、グロッグを構えるが距離を詰められすぎた為、容易にその銃身を押さえ付けられてしまった。そして、そのまま銃のグリップを握っていた手を掴まれ、リュウキに引き寄せられると。
「……
詰みだ
(
Checkmate
)
」
背後から聞こえるリュウキの声。
手首を取られ、引き寄せられた後、空いた左腕で首を取られた様だ。首を取られる、と言うよりは丁度、肩に腕を掛けるような仕草だった。そして、左手にはあのコンバット・ナイフが握られ、首元に添えられており、シノンはへカートもグロッグも全て使用不能に陥った。
確かに、HPこそはまだ全快のままだが、彼の言うように……もう決着が着いた瞬間だった。
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