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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第183話 言いたかった言葉
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このステージ、大陸高速道の性質上、一度把握されたら狙撃手は逃げられない。接近戦に持ち込まれたら、へカートを捨て、グロッグで戦わなければならないだろう。だが、それで勝てる相手じゃない。それは判っている。
これは、この勝負は自分の負けだ。位置がバレたその瞬間に、勝負は決したと言っていい。
だが、かと言って、シノンは勝負を投げ出すような真似は決してしない。最後の最後まで、足掻いて見せる、と思っていたのに、あの男はあの場所から一歩も動かない。動いていない。
「私なんか何時でも、殺れる。……だから、舐めてるの? だから 動かないの?」
キリトとの戦闘を見ているシノン。あのリュウキの速度も十分に驚嘆に値する実力だ。この距離程度では、位置を把握されている以上即座に間合いを詰められてしまうだろう。
そう結論した時、シノンの中である推測が形を成した。
――……つまり、自分は弄ばれている、と言う事だ。
「ふ、ふざけないでよ!!!」
それは、負ける事よりも屈辱だった。情けをかけられているのだとしても、同様だ。この戦いに賭ける思いは……誰よりも強いと思っているから。
シノンは、即座に二脚で固定したへカートを肩に担ぐと、バスから飛び降りた。そして、高速道のコンクリートの足場を蹴り、走り続けて数秒後。……リュウキの前に立つ。
「何よ……! 私に、情けをかけている、とでも言うつもり!? そんな所で立ち止まって、つったって!」
シノンの眼には涙すら浮かんでいる。そして、もう1つ思い立った事を口にした。
「あんたはさっき、へカートの一撃を避け様ともしなかった! ……私にわざと殺させて、キルカウントを1つ献上しようとでも思ったの!?」
そう、もう1つ思った事がそれだった。
自分の場所が判っている以上、撃つ弾道予測線も恐らくは見えているだろう。だが、実際に撃つとなれば、少なからず避ける素振りを見せるのが自然だ。……なのに、この男は一切の動作をみせなかった。
「もう、本戦出場も決定してる! だからたかがVRゲームのたかがワンマッチ。どんな結果になってもいい。負けても勝っても、殺しても殺されてもいい。私との勝負なんてどうでもいい! そう思ってるっていうの!?」
「違う」
この時、リュウキが初めてシノンに声をかけた。少し慌てて。……彼女が思わず泣き出しそうな表情をしていたからだ。自分は知っていた筈、なのに。判っていた筈なのに、とリュウキは思った。
「……シノンがこの戦いに、この世界での戦いに全力を。……ある意味では現実より情熱を賭けている事は、気づいていた。……正直配慮が足りないってことは、オレ自身も思っていた。……だけど シノンには悪いとは思っていたんだけれど、今、今、
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