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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第183話 言いたかった言葉
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なのに、相手はこの高速道のど真ん中に堂々と立っている。
当初の想定では、止まらず動き回り、身を隠しつつ接近してくるモノだと思っていたシノン。まさかの状況に驚きを隠せれなかった。驚愕している間も、スコープの中の彼はゆっくりと歩いてきている。
連想するのは、先ほどのキリトとの決戦の時の事だ。
確かに、あの準決勝では彼らは互いに歩み寄り、橋の上で決着を着けていた。
だけど、それは明らかに対戦相手によるだろう。
キリトの戦い方を知っているからこそ、取れる行為であり、
狙撃手
(
スナイパー
)
である自分には、自滅行為でしかありえない。
――……弾道予測線がなくても、私の狙撃なんかいつでも躱せるってこと?
シノンの中の炸薬のような思考が脳裏に弾けると同時に、スコープを再び覗き込んだ。照準線は、はっきりとリュウキを捉えた。その、瞬間……判ってしまった。
スコープ越しだと言うのに、リュウキと目が合ったのだ。
「なっ……」
再び、シノンに戦慄が走った。もう既に、相手には捕捉されている。……自分が何処から狙撃をするか、その位置の全てを、彼は見極めていると言うのだ。
対戦相手とは最低でも500mは離された位置に転送されている筈なのに、自分がこの場所から狙撃してくると言う事を完全にバレているのだ。
「そんな、有り得ない!」
シノンは思わず声を発してしまった。それだけでも、位置情報がバレてしまう要因になってしまうのを忘れて。動揺するその鼓動は、
着弾予測円
(
バレット・サークル
)
に顕著に現れていた。
「っ……!!」
シノンは、咄嗟に
引き金
(
トリガー
)
を絞った。
円の中に、リュウキの身体が含まれているのは2割以下。つまり、20%以下の確率で当たるのだが、それは予測線が見えていない場合に限る。位置がバレてしまっている以上、その線ははっきりと見えてしまっているだろう。そうなれば、狙撃するのは殆ど不可能だ。
現に、STR値を極上げしたベヒモスでも、余裕を持ってこの音速をも超えるへカートの銃撃、咆哮を躱しているのだから。
へカートの発射炎で、銃先が真っ赤に燃える。その炎の勢いのままに、弾丸はリュウキの方へと吼えながら飛んでいくが……、リュウキの右数cm外れた。着弾したのは、廃車の内の1つ。へカートの威力によって、その廃車は着弾したと殆ど同時に、黒炎を上げながら爆発した。
そんな凶悪とも言える弾丸がリュウキの傍を通ったと言うのに、避ける動作はおろか、彼は全く微動だにしなかった。
ただ、真っ直ぐにシノンの方を見ている。……今も真っ直ぐ見つめている。
「……何時でも」
シノンはギリっと歯を食いしばった。
位置情報が判っている以上、
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