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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第183話 言いたかった言葉
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…次に目を開けたその時に、再び氷となる為に。
〜予選Fブロック・決勝戦〜
次の転送を経て、シノンはゆっくりと瞼を開いた。そう、もう自分は氷になっている。冷静に、戦場では常に冷静に。
そして、おあつらえ向きだった。
その決勝の舞台は、どこまでも一直線に伸びる高架道、そしてその先で今まさに沈まんとしている血の色の夕日。
《大陸高速道》ステージだ。
これまでの戦場と同じく広さは1km四方だが、中央を東西に貫く幅100mのハイウェイから降りることはできない。ゆえに、実質的には只細長いだけの単純なマップ。だが、路上には無数の乗用車、軍用車、軍用ヘリなどが遺棄されており、そしてあちこちで舗装面が斜めに飛び出したりしているので、端から端までを見通すことはできない。
「……場所は」
シノンは、さっと、後ろを振り向き、自分がマップのほぼ東端にいることを確認した。つまり、リュウキは西に伸びる高架道の少なくとも500mは離れたどこかに出現しているはずだ。なら、もう狙撃位置1つしかない。
周囲を見渡していたシノンは、一点を見つめるとすぐに走り出した。目指した場所は右斜め前に横たわる大型の観光バス。半開きになった後部ドアから内部へと駆け込みに解析への階段を上る。中央の床面に身体を投げ出すように腹ばいになり、肩から外したへカートUの二脚を展開。
伏射姿勢を取り、スコープ前後のフリップアップ・カバーをはね上げた。
『……スコープからの僅かな反射で現在位置を把握されかねない』
頭に一瞬だけ、氷の自分に過ぎったのはその言葉。だが、心配は無用だ。確かに正面に太陽が大きくある以上、スコープのレンズに反射され、敵に気取られてしまう危険性はあるだろう。
だがそれは屋外での話だ。
このバスの中であれば、ミラーコーティングされた窓硝子がスコープの反射光を隠してくれる。そして、何よりも高さと言うポジションも得られる。この場所が間違いなく現時点、現エリアで最適の狙撃位置だ。
――……必ず、当てる。
シノンは、右目をスコープに当てた。胸の奥で強く、念じながら。これ程までに、勝ちたいと思ったのは もう2度目だろうか。いや、準決勝で敗れ去ったキリトの事も含めると3度目だ。
この2人戦士達の戦いは、これまでGGOで経験した殆どの戦闘が色褪せてしまう程、強烈なモノだったから。
『……私よりも強い男達が』
何度も再生されるかの様に流れる言葉。だが、不思議と今はその言葉で集中力を乱される様な事は無かった。逆に訊けば訊く程、集中する事が出来るのだ。
そして、集中したからこそ、判ったのかもしれない。
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