暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第182話 銃と剣・決着
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ュウキと言う男は。

「アイツの身内……だったんだ」

 あの初老のアバターの姿を持つ男の身内。なら、これくらい、簡単にやりかねない、と何処か納得してしまえる自分もいたのだ。

「それに、キリトの方も……」

 シノンが次に目がいったのはキリト。
 確かにリュウキの技術は凄い、を通り越して有り得ない。隠し弾(ブラインド)跳弾(リコシェ)……、拳銃(ハンドガン)では、いや 機関銃(マシンガン)でも操るなんて事、はっきりいって無理だろう。だけど、その無茶苦茶な技術を受けながらもキリトは戦い続けている、張り合い続けている。

 凄まじいまでの反射神経、反応速度。

 跳弾(リコシェ)に関しては、勿論回避するのが相当高難易度であるが、それ以上に厄介なのが、弾道予測線(バレット・ライン)が、表示されないという事だ。発射されて、着弾するまでのラインしか、軌道上では現れないのだ。

 なのに、彼は躱している。
 一度は受けたものの 次弾からは、最小限度しか受けていない。幸いしたのは、一度何かに接触した弾丸は著しく威力を削ぐモノだということと、リボルバーと言う比較的攻撃力の低いハンドガンだと言う事だろう。

「(……わたしは、アイツ等に勝てる……?)」

 シノンはへカートを、この場には出していないが、あるものとして、利き手である右手でへカートを握る様な仕草をした。


――……この2人の強さは、ゲームの枠を超えている。


 シノンの頭の中で、いや 頭の先から足先までに戦慄とは似て非なる感覚が貫いたのだ。だけど、判らない事はある。


――なんで、あの時 あんな表情をしていたの? あなた達は……。


 そう考えると……、シノンの中にあった驚愕した感覚が消失していく。確かに衝撃映像はまだ続き、有り得ない攻防が続いているけれど、その疑問がシノンの中に沸き起こってくる。

「………なんで?」

 聞こえる筈も無いのに、シノンはきいていた。震えている彼と自分が重なって見えたのも、なんでだろうか?幾ら考えても、判らない。だからこそ。

「……相対した、その時に」

 そう、強く望んでいた。

 ……聞いてみよう、と。








〜予選Fブロック 準決勝〜



 リュウキの弾丸、攻撃はキリトにとって驚異だ。
 正面から撃ち放たれるだけの弾丸なら、回避も出来るし、弾き返す事も出来る。……だが、跳弾(リコシェ)隠し弾(ブラインド)を併用され、折り交ぜられてしまったら、そうはいかない。

「うぐっ……」

 こうなってしまうのだ。
 キリト自身のHPはまだまだ大丈夫なものの、神経をごっそりと削られるのだ。だから、相手が撃ち、自分が躱す。……
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