暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第182話 銃と剣・決着
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ。 それにしても、今回は、運が、良い」

 マスクで表情は見えない筈なのに、その顔は笑っている様に見えた。その表情が見えたとしたら、歪な笑みだと言うのは間違い無い。それ程の不吉を孕んだ笑みだからだ。その笑の中、口元が僅かに動く。

「……も、参戦、してる、からな。イッツ、ショウタイム、だ。……鬼。悪夢、を、思い出させて、やろう。鬼を、生んだ、のは、我々だ。我々が、終わらせて、やる」

 ゆっくりと、指をリュウキに向けた。銃の形を作り、撃ち抜く様に。

「……死銃は、いずれ、お前の、心臓も、止める」

 そう呟くと、再びその身体は消え去っていった。















〜予選Fブロック 準決勝〜


 場が極限の緊迫に包まれている最中。それは、戦いを宣言したその瞬間から迸っていた。

 リュウキの眼の一点をキリトは見つめている。

 一体どんな行動を、するのか、と。
 その初動の起点となるのが、あの眼からだと言う事は判っていた。何度、見たか、もう判らないからだ。……相対するのは初めてでも、横で、最も近くでその戦いを見続けてきたのだから。

「ふっ!」
「っ!!」

 リュウキの眼が一瞬輝きを増した瞬間、腰からSAAを引き抜いた。腰から引き抜かれ、撃鉄を下ろし、引き金を絞るまでの時間は0.2秒を切る。

 だが、その攻撃の初動を見極めることが出来たキリト。

 反応速度の領域では、リュウキを遥かに凌ぐ。正確に額に届く一撃を何とか弾くことが出来た。……が、光剣は完全に弾丸を飲み込み、消し去る事は出来ず、“ビッ!” と言う音が響いたと同時に、残骸がキリトの頬に掠めた。

「……やるな」

 リュウキは思わずそう呟いていた。
 これだけの距離からの射撃であれば、弾道予測線(バレット・ライン)と実際に弾丸が当たるまでのタイムラグは0に等しいだろう。即ち、キリトは撃った弾丸をシステムアシストなしで、見切ったのだ。

 流石の一言である。

「っつ〜。無茶苦茶はえぇっ」

 キリトもキリトで、驚愕した。
 リボルバーに関しては、あの避けゲームの時に体感している。自動拳銃(オートマチック)と違い、1回1回撃鉄(ハンマー)を引かなければ撃つ事が出来ないのだが……、リュウキが構えて、そして弾が発射されるまでの時間が本当に短い。もうほんの刹那、反応が遅れれば、額に直撃していただろう。

「行くぞ!!」

 弾丸を避けた余韻に浸る間もなく、キリトは地を蹴り、リュウキまでの距離を縮める為駆け出した。

 ぎゅんぎゅん、と風を切るかの如き速度で、リュウキに接近する。

 距離にして、5m程まで近づけたその時だ。再びリュウキは、キリトにリボルバーを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ