本当の気持ち
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あたしはあれから、いつの間にか自宅に戻っていたみたい。
あまりにも混乱して、涙が止まらなくて、パパに話しかけられるまで気持ちが落ち着かなかった。
パパには“本の内容に感動しちゃって”と、適当にごまかしたけど。
サラが心配そうにあたしを見ていた。
でも、あたしはどう話したらいいか分からず、部屋に閉じこもってしまった。
ロビン、どうしてあんな事を……?
あたしはどうしたらいいかわからなくて、ベッドの中で意識が無くなるまで泣いていた。
翌日。
気持ちは混乱したままだったけど、何とか平静さを取り戻し、お店に立った。
昼を過ぎた頃。
「ミレーヌ姉さん、交代よ。」
「はーい。パパ、休憩に入るわね。」
パパに声を掛け、自宅の方に戻ると。
「クリス姉さん!来てたの?」
リビングにクリス姉さんの姿が。
「あたしが呼んだの。二人でゆっくり話してね。」
サラがそう言いながらお店の方へ向かった。
「サラからさっき電話があってね、あなたの様子がおかしいから、話を聞いてあげてって。小さい頃からあなたがよくわたしに相談してた事、サラは知っていたのね。夜中にサラの部屋まで泣き声が聞こえたって言って、とても心配してたわよ。」
クリス姉さんが笑顔で言った。
「サラがそんな事を…二人に心配かけちゃったのね、ごめん。」
「良かったら、何があったのか聞くわよ?」
「うん、ありがとう。」
「リビングじゃ話しにくいだろうから、あなたの部屋に行きましょう。」
その後、あたしは部屋でクリス姉さんにロビンとのこれまでの出来事を話した。
お店にいつもからかいに来てた事。
そんなロビンが、あたしがリチャードさんに襲われそうになったところを助けてくれた事。
川で溺れたサラを、パパの事も気にせず助けてくれた事。
そして昨日…ロビンにされた事も。
冷静に話したつもりだったけど、多分、きっと顔は真っ赤になっていたと思う。
「そうだったの…。」
「あたし、ロビンがどうしてそんな事をしたのかわからなくて。自分の気持ちもぐちゃぐちゃで…。」
「わたしから二人を客観的に観たら、とても可愛らしく見えるわ。」
「どういう事?」
あたしはクリス姉さんの言っている意味が分からなかった。
「ロビン君はあなたにずっとアピールしたかったんでしょうね。だけどニールさんやパパがいる手前、それは難しいでしょ?それで何とか気を引いていたんだと思う。
あなたが危ない目に遭うのを助けたのは、あなたが大事な存在だからよ。サラが溺れているのを助けたのは偶然だったかもしれないけど、パパの事も気にしないで動いてくれたのは、ロビン君の誠実さが伝わってくるわよね。
それと、昨日の事はきっと、あなたの事がいじらしくて愛おしくなってしまったのね。
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