暁 〜小説投稿サイト〜
夜空の星
本当の気持ち
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「まさかあいつがそんな…!」
 顔が真っ赤になってしまう。
「ねえミレーヌ、もしロビン君に素敵な恋人ができたら、どうする?」
「え?」
「勿論、例えばの話よ。どうでもいいと思う?それともショックを受ける?」

 ロビンに恋人ができたら…?
 考えたこともなかった。
 だけど。
 昨日、ロビンがあたしに触れてきた部分全て、今でも熱く感じてる。
 あの腕の中にいるのが、別の人だったら。
 もう二度と、あたしに触れてくれないって思ったら。
 寂しいって…思うかも。
 もう一度触れて欲しい。
 あたしも触れたい。
 そう考えている自分に気づいた。

「きっとショックを受けるわ。」
「うん、そうでしょうね。自分の気持ちに素直になって考えてみなさい。パパ達の確執なんて気にしちゃ駄目!ママの事で今でも争うなんて、いい大人が情けないわ。」
「クリス姉さん、パパ達の仲が悪い理由、知ってたの?」
「ええ。あなたとサラは知らないと思うけど、ママが亡くなった当時、わたしとロビン君は、偶然パパとニールさんが言い争っているのを聞いてしまったのよ。とてもショックだった。ロビン君は子供ながらに思うところがあったのか、ミレーヌとサラには内緒にって言ってきたの。
 昨日、ロビン君がパパ達の事を話した理由は、あなたとの関係を前進させたかったからかもね。わざとあなたを怒らせるように言ったんだと思う。だって、当時はロビン君もかなりショックを受けていたもの…。本心ではきっと、パパ達に仲直りして欲しいって考えているはずよ。」
「そう…だったんだ…。」
「とりあえず、わたしが言えるのはここまでね。ロビン君は言葉にはしていないけど、あなたへの気持ちを行動で示した。次はあなたが行動で答える番だと思うわ。」
「うん…。ありがとう、クリス姉さん。」
 クリス姉さんは“頑張ってね”と声を掛け、パパとサラに軽く顔を出して帰っていった。

 お店は閉店時間となり、あたしはパパが店の方で作業をしている間に、サラにリビングで話しかけた。
「サラ、昨日から心配かけてごめんね。」
「気持ちの整理は付いたの?姉さん。」
「うん、なんとか。」
「昼間にロビンさんがお店に来てたから、予定聞いておいたわよ。今日は大学が早く終わって、屋敷からは出ないって言ってたから、行くなら今よ!」
「サラ、そんな事聞いてたの!?」
「勿論。姉さんとロビンさんには一緒になって欲しいもの。応援してるから。あたしとルイさんのように、パパにも許して欲しいしね。」
「サラ…ありがとう!」
 思わずサラに抱きついた。

 クリス姉さんも、サラも。
 こんなにもあたしの事を思ってくれるなんて、あたしは幸せ者だわ。
 心配をかけた二人のためにもちゃんと考えよう、自分の気持ち。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ