暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第181話 銃と剣
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ってしまった。ライブ映像は、もう放映され続けている。ゆえに、2人の同行は、観客である自分たちには判るのだ。
 巨大なモニタは、2人の男?……とまぁ、容姿はさておき、その姿を映し出していた。

 その2人は、ただゆっくりと 歩いていた。

 慎重に行動をしている訳でもない。身を隠している訳でもない。歩いている。……ただ、その辺を散歩でもするかの様に、歩いているのだ。歩く彼らのバック、背景を見てみると判る。彼らは、時計回り、反時計回りに回っており、このまま歩き続ければ、鉢合わせするだろう。

「………」

 シュピーゲルは、まるで睨むように画面をみる。……シノンも同様であり、違うのは睨み、と言うより集中してみている、位だろうか?シュピーゲルの目線には、何か別の感情も含まれている様な気配がするのだ。シノンはこの時、その視線には気づいていなかった。

 今、全てが見えなくなる程の、戦いが始まろうとしていたから。





〜予選Fブロック 準決勝〜


 ビルとビルをつなぐ橋は、宛ら鮮やかなネオン街を彷彿させる程輝いている。空が明るくなくても、闇であっても関係ない。視界は十分に良好だからだ。リュウキの初戦の様な事はない。

 そこでは、両者がゆっくりと歩いていた。

 準決勝の舞台で戦う両雄。


《Kirito vs RYUKI》


 銃撃戦の筈なのだが、まるで果たし状から始まる侍達の決闘を彷彿とさせる。だが、それは強ち間違いではない。キリトのメインアームは剣だ。リュウキは銃だが、2人共に剣の世界を生き抜いてきた剣士なのだから。

「……」
「……」

 ビルとビルを繋ぐ橋の上で、必然的に2人は出会った。橋の幅は10m全長は30m程だろう巨大なビルを繋ぐ巨大な橋。

 その橋の上で立ち止まる2人。

「来た、な。……キリト」
「ああ。……来たぞ」

 キリトは、リュウキの言葉を正面から受け止め……そして返した。この世界で戦い、勝つのはまだ早いと言い切った男に。

「……まだ、早いか?」
 
 キリトは、リュウキにそう聞く。
 今は、もう戦いは始まっているから、攻撃をしろ、と外野であれば煩いだろう。だが、キリトにとってもリュウキにとっても、この戦いは大きな意味を持つモノ。

 初撃決着の決闘はした事はあるが、全損、完全決着となればこれが初めてだ。あの世界。……手を伸ばして、伸ばし続けて……、なかなか届かなかった相手。

 その相手が今目の前にいるのだ。柄にもなく、緊張をしてしまうのは、余計な力が入ってしまうのは、無理はない事だった。

「ああ、そうだな。……まだ、早い。だが……」

 リュウキは、軽く眼をつむり、そして開いた。

「これが、オレにとって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ