暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第181話 銃と剣
[6/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
レとも思えない。つまり、間違いなく狙ってやったと言う事、絶対の自信をもってしたと言う事。
シノンには、今のあの男と、さっきまで男が別人に思えていた。
リュウキの震えている肩に触れた時感じた、弱々しさ。外見と同じように、まるで折れてしまうかもしれない、と思ったモノ。
――触れた肩から感じたモノ、負の感情。……それは詩乃と同種の暗闇だと感じた。
〜予選Fブロック 準決勝〜
時系列は、《シノンVSスティンガー》の戦いに戻る。
その時も考えるのは、一体どれが本物のリュウキで、どれが本物のキリトなのだろうか。方や、蒼い光の刃で容赦なく敵を斬り伏せる、鬼神の如き姿。方や、一見華奢とも言える拳銃を超強力な武器に変えたり、相手をボコボコにして、他を圧倒する戦神の如き姿。
そして、何よりは、リュウキのあの《VS戦車》での一戦。
あれは間違いなく、今大会予選のMVP。いや、GGOの歴史の一ページに刻まれる事だろう。生身のアバターが戦車を打ち破ったと言う漫画の様な展開なのだから……。
「………(なんで自分はこんな事を考えて……)」
シノンは、戦いの最中だと言うのに、別の事を考えていた事に苛立ちを覚えてきた。
確かに、驚愕な技術と言っていい。2人共が、だ。だが、苛立ちを覚えるのは、そこではなく、彼らが見せた闇を感じた所にだった。何故、あの世界の自分の姿が映って見えたのかが判らなかったから。
シノンは、再び頭を振り、意識を集中させる。1km先の十字路を監視し続ける。
狙撃手の極意は《
待ち伏せ
(
アンブッシュ
)
》にある。
如何なる時も冷静に、待ち……そして一瞬のチャンスを掴み取る。その為には、今考えてしまっている事は雑念でしかない。
再び氷となり、待ち続けたその時だ。切り立った崖の影から、何かが高速で飛び出してきたのだ。だが、その程度の動き、集中した今の彼女には通じない。へカートのトリガーを絞り、その物体にめがけて発射された。轟音と共に、弾丸が発射され、高速で動く影に命中。
「……おっと」
シノンはそれを見届けた後、そう呟きながら次弾装填にかかった。
へカートのボルトハンドルを引いて、空のカートリッジを排出、薬室に収まる。命中して、へカートの咆哮で砕いたのは対戦相手のスティンガーではなく、ただの岩の塊だったのだ。そして、その後同じ場所から、更に巨大な影が土煙を上げて突進してきた。
4輪の装甲車両《HMMWV》。
これもあの時の戦車と同じであり、ボーナス的な代物だ。……が、戦車と比べたらレア度は圧倒的に低く 元々このフィールドに配置されている乗用車。
「……なるほど、狙いは
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ