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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第181話 銃と剣
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では、この戦車は大破などできはしない。
精々、移動に支障を来す程度だろう。
だが、驚いたのは、そこではない。――本当に驚いたのはその次、そして最後の結末にだった。
リュウキは、人差し指で爆弾の起爆スイッチを押した。
通常の手榴弾と同じで、押した5秒後に爆発する。違う点は、威力が手榴弾より高い事、そして電子音で爆発までのタイミングを知らせてくれる事だ。“ぴぴぴ” と言う音が場に響く。
リュウキは、起爆スイッチを押した後、相手に投擲をする訳じゃなく、まるで そう。所謂お手玉でもするかの様に、プラズマ・グレネードを、自身の上に投げていたのだ。
2度、3度と、それはまるで遊んでいるかの様に、……カウントダウンの様に。
「自爆する気……か?」
爆弾のスイッチを入れれば、基本的には直ぐに投げるのがセオリーだ。
起動したのがバレている場合は、タイミングをズラす事も勿論あるだろう。そう、タメは大事だと思うが、戦車は人間ではない。5秒で爆発範囲から逃げる様な真似はできないから、はっきりと言えば無意味だ。
だからこそ、リュウキのその行為の意味が判らなかった。ただ単に、殺される位なら、自ら死ぬのか? 程度しか浮かばなかった。
そして、相手、リュウキの赤い目が更に輝いた気がした。……その3度目を上に投げて、受けとめた瞬間。
「……ふんっ!!」
手に持った爆弾を漸く、力強く投げたのだ。投擲をしたのは判った。
――だが、何かがおかしかった。
デリンジャーは不信にそれを、何かを感じた。
何故なら、戦車の中に居る筈なのに、“ガコン!” と言う音が聞こえたと思えば、あの爆弾特有のあの電子音が大きく聴こえてきたからだ。外の音、銃弾の着弾音や、連続した銃撃音ならまだしも、爆弾の起動音程度であればこの戦車内にいれば、それ程聞こえない筈だ。
「……ま、まさ、か」
何か察したのか、デリンジャーの顔が一気に青ざめていた。
それは実際の顔ではなく、ゲーム世界のアバターだと言うのに、その精神状態を察知したかの様に。デリンジャーは、恐る恐る主砲の砲弾装填口を開いた。そこには、その電子音が鳴り響く原因があったのだ。
目の前に、有り得ないモノがある。
リュウキは、戦車からもう背を向けていた。2歩、3歩と歩いた所で。
「……
終わりだ
(
The-End
)
」
リュウキがそうつぶやいた瞬間、戦車は内部から大爆発を起こした。黒煙を纏い、炎上する。一度では無く、2度、3度と爆音が響き、炎も大きくなった後。
「―――……あああああっ!!!」
情けない叫び声と共に、空から対戦相手であろうデリンジャーと言う男が降ってきた。どうやら、あの一瞬でどうにかハッチを
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