暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第181話 銃と剣
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目立っているのだから、彼女達の戦いは嫌でも目に入る。あの女性のコンビの事。彼女達の装備を考えたら、……本当に有り得ない。弾丸を雨の様にバラ撒くこの世界で、単発式の銃(ハンドガン)、そして超近接出なければ戦う事ができない近接武器(フォトンソード)だけをもって乗り込んできて、勝ち進んでいるのだから。

 高い近接戦闘技術を見て、間合いを見て接近されたら終わりだと言う事は目に見えているのだ。デリンジャーの装備はかなりメジャーな突撃銃《AK-47》アサルトライフルをメインアームとしている。

 だが、この相手には、アサルトライフルは効かない事はこれまでの対戦で判っている。これまでの全ての対戦相手が、正面からの戦い、そしてその身体を散らしたのだから。

 だから、今回の幸運であるM1戦車を発見するやいなや、真っ先にに搭乗したのだ。

「これで負けは無くなったな。……じわじわと追い詰めてやる!」

 攻撃の多くは躱されるだろう。
 だけど、この戦車を大破させられる様な重火器を相手が持っていない事は判っている。負けない事が勝ちに繋がる、それが今回の作戦だった。

 デリンジャーは、勝ちを確信していたし この戦車を知る者からすれば……デリンジャーの勝ちだと思うだろう。如何に、破竹の勢いで勝ち進んでいっている彼女?だとしてもだ。


――だからこそ、この戦いの結末に誰もが驚愕する事になる。


 始めは、直接的な戦いは無く、死角を潰す為に、デリンジャーが遮蔽物を吹き飛ばしていた。その砲撃の轟音が轟いていたが、その後の立ち上がりは、対照的に随分と静かだった。いや、慎重だった、という方が正しいだろうか?この戦場での音は戦車のキャタピラ音、そして戦車が走る事によって、大地が揺れている様な振動、それだけが響いていた。

「まずは……」

 リュウキは、一定距離にまで入られた瞬間、動いた。
 何故なら、砲身から砲撃の軌跡が見えたからだ。弾道予測線も遅れて示された。着弾し、爆風と衝撃が迸る、その全てが攻撃範囲だ。即死クラスの一撃の為、確実に避けるには大きく回避しなければならない。

「こ、のっ……!! ちょこまかと……!」

 戦車の砲身の動きは比較的スローだ。
 だから、素早く回り、砲身の先に自分の身体を晒さなければ恐るるに足らない。こちらの問題は、洗車に対する攻撃手段。

「くそっ……死ねっ!!」

 砲身から逃れ続け、主砲の照準から外れ続けている為、デリンジャーは搭乗ハッチから身体を出し、副武装である機関銃M240で攻撃した。砲身の移動には時間がかかるが、主砲以外の攻撃は話は別だ。
僅かな力で、360度範囲スムーズに動く。戦車の高さの利もある。

 現段階で、リュウキの動きを止める為にも、それが最善だろう。
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