4部分:第四章
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めます。
「さだめじゃな。絶対に変えられはせぬ」
「そういうことだよ」
おみよさんの言いたいことはそれでした。
「もっとも不老不死なら不老不死で願い下げだけれどね」
「ずっとぐうたらしていられるのにか?」
「それも嫌なんだよ」
おみよさんの言葉は何だかとても勝手に聞こえます。ぬらりひょんから聞いてもそうでした。
「勝手なことを言う」
「人間は何時か絶対に死ぬからいいんじゃないか」
おみよさんの言葉はこうでした。
「違うかい?何時までも生きていたら嫌になるさ」
「それで死ぬのも怖くないのか」
「そういうことだよ。死んだって地獄に行かないんだったらね。またそこで寝て過ごすさ」
「そのまままた生まれ変わるというのか」
「ああ。わかってきたじゃないか」
「全く」
ぬらりひょんはまたしても溜息をつきます。
「張り合いがないのう。やれやれ」
「で、他に言いたいことはあるのかい?」
おみよさんはぬらりひょんが完全に言う気をなくしたと見て問うてきました。
「まだあるんだったら聞くけれどさ」
「もういいわ」
流石にもう何も言う気にはなれませんでした。呆れてしまったのです。
「しかしじゃ」
「何だよ」
それでも最後に言ってきたぬらりひょんに顔を向けます。
「欲がないのはいいことじゃな」
「そうなのかい」
「うむ。かえってな」
そして言うのです。
「その方がいいかも知れんな」
「人間さ、いいところもあれば悪いところもあるからね」
「御主の場合はな」
ぬらりひょんの言うことは何か想像がつくものでした。
「ものぐさなのは駄目じゃ」
「またそれかい」
「しかしじゃ」
けれどここで言います。
「いいところもある」
「それが欲のないところだっていうんだね」
「左様」
おみよさんの言葉に大きく頷いてきました。
「その通りじゃ。わかっておるではないか」
「まあ今までの話でね。少なくともあたしは欲を持つことはないよ」
「そうか」
「そうさ。そんなの持っても仕方ないしね」
「まあそれはいいじゃろ」
「じゃあ話は終わりだよね」
おみよさんはそこまで聞いてぬらりひょんに言いました。
「それじゃあ」
「本当はな」
ぬらりひょんは最後におみよさんに対して述べました。
「御主のものぐさを叱る為に来たのじゃが」
「残念だったね」
「まあよい」
渋々ながら言うしかありませんでした。
「こうなってはな。じゃが」
「じゃが。何だい?」
「せめて人には迷惑をかけぬようにな」
「わかったよ。じゃあね」
「うむ、また来る」
「来るのかい」
何か意外な言葉でした。それで顔を向けました。
「わしは妖怪じゃぞ」
「それはさっき聞いたよ」
おみよさんは自分で言って何か
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