解かれる結び目 5
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に体を寄せては吹き飛ばされてる茶髪緑目の男性がウェルスさん?
二人と親しげに話してる金髪橙目の男性が……
アホリードさん?
ドアホリードさん?
いえ、まさかそんな名前じゃないわよね。
ホリードさん?
やっぱり三人共、私と同じくらいの年齢にしか見えないんだけど。
魔王退治とか子供がどうとか、どういう意味なんだろう?
言動は喧嘩腰なのに、それでいて仲は良さそうな、不思議な人達。
「マリア様」
「! エルンスト……」
正門へ向かう林の中から、騎士姿のエルンストが出てきて。
私の足元に恭しく跪いた。
まさか、私の後に付いて来てたの?
神殿の中から、ずっと?
「ご自室へお戻りください。貴女は神聖なる女神マリア。お役目以外では、人前にそのお姿を見せてはなりません」
私の軽率さを厳格に戒める、警戒と怒りを滲ませた険しい表情。
…………そうね。
本来ならお客様と私語を交わすなんて、私の立場上良くはない。
姿を見せるのもそうなんだけど。
解ってたけど……
…………ううん、解ってない。
私は何も解ってない。
女神マリア。
私は、女神マリア。
世界を護る為に死ねと言われている、天神の一族最後の巫。
どんなに怖くても逃げられない。
逃げる場所なんて、どこにも無い。
……生贄なんだわ。私は。
「ええ。そうね」
「お屋敷の手前までお送りいたします」
お屋敷へ向かって、林沿いにふらふらと歩き出す。
その私の半歩後ろから、エルンストが付いて来る。
視界の端で、お客様三人が私に一礼してから神殿へ戻っていった。
友達、なのかしら、あの三人は。
とても息の合う、仲が良い友達?
コーネリアさんとウェルスさんは……
もしかしたら、ちょっと違う関係なのかも知れないけど。
「良い、な」
小さい頃の私とエルンストみたい。
三人ほど近い距離感ではなかったと思うけど。
きっと、今の私とエルンストよりは似てる。
だって、エルンストは……
「マリア」
「…………え?」
呼び捨て?
騎士や神官の往来が多くて、人目につきやすい廊下の近くで?
自分から、私を呼び捨てにした?
思わず足を止めて振り返ったら、エルンストが友達の顔に戻ってる。
「そのリボン、お役目中でも使ってくれるんだね」
……ああ、これ。
「本当は三つ編みにしてから結ぶつもりだったのよ? でも、貴方のせいで手が震えて、ちゃんとできなかったわ」
左手で結び目を確認すると、少しだけ弛んでる。
きっと、
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