突然あいつに…
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く幸せだった”って言ってたのよ!?」
「俺の親父だって、シェリーさんを断腸の思いであきらめたって言ってたぞ!後悔しているって、今でも悔しそうにさ。」
「あたしたちのパパだって、ママが亡くなってからどんなに元気を無くしてたか、あんたは知らないでしょ!?当事者に向かってそんな言い草、ひどすぎる!10年近く掛けてあたしたちを一生懸命育てて、クリス姉さんやサラを結婚させる事ができて、やっと傷が癒えそうになってるのに!ニールさんの方こそ全然ママのことをふっきれていないじゃない!」
「当たり前だ!好きだった人を守れなかった上に、お前みたいな乱暴さや図太さだって持ち合わせてねえんだから!」
「…!」
バシッ!!
「イテッ!」
あたし、怒りのあまりに思わず立ち上がってパイの箱をロビンに投げつけてしまった。
「言っていい事と悪い事があるでしょ!?あたしのどこが乱暴で図太いっていうのよ!ひどい!!」
あたしは裏門に向かって歩き出した。
「おい、何だよこの箱は!?」
「あたしが作ったレモンパイよ!風邪引きたくなかったらさっさと食べちゃってよね!」
そのまま帰ろうとすると。
「待てよミレーヌ!」
ロビンが箱を置くとあたしを追いかけ、腕を掴んだ。
「放して!いろいろ助けてくれて嬉しく思ってたのに…。人の気も知らないで勝手な事ばかり言っちゃって!」
「……。」
腕を掴まれたまま、近くの木に寄せられた。
「ちょっと…!やめてよロビン、放してってば!」
驚いてロビンの顔を見上げると、いつになく真剣な表情をしている。
「お前はずるいよ。」
「何言ってんの?お願いだから放し…!?」
ロビンがあたしに……キスをしてきた。
「んっ…!!」
言葉が…出せない…!!
体が固まって…何も動けない…。
ロビンはキスをしながらあたしの頭や頬を撫でると、背中に腕を回してきた。
まるで恋人にするような優しい触れ方に困惑し、離れようとしても余計に抱きしめられて、身動きが取れない。
次第に抵抗する気力を失ってしまったけど。
一瞬だけ唇が離れ、何とか言葉を話せた。
「ロビン、どうして…?」
「お前が悪い。すげぇ気持ちいいけどお前は?」
「わかんないよ…。」
ロビンが顔を赤くして聞いてきたのが、あまりにも意外すぎて、あたしは何も言えなかった。
「本当にずるいな。」
するとロビンは再びあたしの唇を塞ぎ、キスの続きを始めた。
あたしはしばらくの間、抱きしめられキスをされたまま動けなかった…。
やがて、ロビンがキスをやめて、耳元で囁いた。
「こんなかわいい事されたら調子狂うだろ。ずっと我慢してたのに…。パイはもらっとく。お前も早く帰れ!」
そう言うと振り向くこともなく、ロビンは箱を持って屋敷に戻って
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