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ピリカピリカ
5部分:第五章
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?」
「あっ、皆見て」
 ここで子供の一人が皆に言います。
「おじさん裏手に入って行くよ」
「本当だ」
「しかも屋台ごと」
 見ればその通りでした。おじさんはお店の裏手の駐車場に入って行くのです。皆それを確かに見ていました。
「どういうことなんだろう」
「さあ」
 皆それだけではわかりません。
「何であそこに?」
「どうしてなんだろう」
「ちょっと待って」
 また一人がここで気付きました。
「ひょっとしたらさ」
「どうしたの?」
「あれかも知れないよ」
 またしても不吉な雰囲気が皆を覆ってしまいます。それはどうしても避けられませんでした。
「あのおじさん、実は和菓子屋のお爺さんでね」
「あの人!?」
「あのお爺さんだよね」
「うん、あのお爺さんだよ」
 この和菓子屋さんはお爺さんとお婆さんがやっています。もうかなりのお歳ですが元気にやっているのです。街での評判は愛想がよくて美味しいお菓子を作ってくれるというもので極めていいものです。
「あのお爺さんだけれど」
「まさかあのお爺さんが」
「お化け!?」
 導き出される答えはこれでした。
「お爺さんがお化けだったの!?」
「それでああして出て来る!?」
「まさか」
 皆また口々に言い合います。そういえばおかしい、彼等の中で思える部分がどんどん出て来てそれが確かなものに思えてきました。
「すっごい御歳じゃない」
「ええ」
 まずはこのことです。

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