帝王の行進
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アナゴ=サンに会いに行かんとしてみるなり。
というわけで現在俺は深夜の廃寮に来ております。
アニメファンなら一度は生で聴きたいあの声。いや、今聞かなくても別にいいんだが。
「ん?」
そんなわけで暗い廃寮の中をウロウロしているわけだが、地面にサイバー・ブレイダーのカードが落ちているのを発見した。あれ?明日香は恵が足止めしてるはずなんだが。
「マスター!」
「うおっ!?」
半霊(のように見える)のエアトスがいきなり壁からニュッと出てきたため心臓が口から飛び出そうになった。やめてくれ、あんまり俺、心臓は強くないんだ。
「……どうした?」
なんとか心臓を沈めると、荒い息を吐いているエアトスに問い掛けた。……というかなぜ精霊の息があがるんだ……。
「あっちに明日香さんが寝かされてたよ。あ、ものすごい顎の人も居たけど」
目的のやつか。
「ああ、ありがとう。あとは十代たちの足止めをしてくれればありがたい」
十代たちが来ると拗れるし、なにより俺は目をつけられたくない。
「手遅れだと思うよ?」
「なにか言ったか?」
「なんにも。わかったよ、マスター。ボクに任せておいて」
そう言うとスイーっと動いて壁の中に消えた。……水色なんて心臓麻痺で倒れればいいと思うんだ。
「……お、居たか」
さらに歩くこと数分、俺は開けた場所に居た。そこには蓋の開いた棺桶が設置してあり、中には明日香が転がされていた。
「彼女はぁぁぁ……深い闇の中に囚われているぅぅぅ……」
長々と響き渡る特徴的なビブラート。重々しく耳に残る重低音。アナゴ=サンだ。
「我が名は闇のデュエリスト、タイタンンン……あの者を救いたくは、私に闇のデュエルで勝たねばならないぃぃぃ」
そんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。
……ヤバイ、腹筋を粉々にポヒョッと爆破されそう。
表情に出さないようにするので精一杯で言葉が出せず、デュエルディスクを構えることでデュエルする意志を伝える。
「ほぅぅ……恐怖で言葉も出せぬ状態でもあの者のためにデュエルを挑むかぁぁぁ……」
違います。
「よかろぉう! ぬぁらばその勇気に敬意を評そぉぉぉう! デュエェェルン!」
「……」
強敵過ぎる。ここまで(俺の腹筋が)追い込まれたのは初めてだ。さっさと片付けないと(俺の腹筋が)破けて離れてしまう。
「私のタァァァンン! 私はぁ、フィールド魔法ぅ万魔殿ー悪魔の巣窟ーを発動ぅぅぅ! ふふふ……さしずめ地獄の一丁目と言ったところぁぁ……」
いいえ。どちらかと言えば笑撃の三枚目です。
とはいえフィールド魔法だ。土が剥き出しの無骨な洞窟の広間がおどろおどろしい空間に変わる
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