第3章 リーザス陥落
第46話 必勝作戦
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なんてゴメンです」
「そうか……」
ユーリは町を囲う壁の上にいたかなみに向かってそう言う。以前にも、確か木の上にいたかなみを気配で察する事が出来た筈だが、今回は判らなかった。
「……やっぱり腕を上げたな。かなみは」
「い、いえ……そんな事は……」
かなみは慌てる。
そもそも、ユーリは今の今まで正直心ここにあらず状態だったから、仕方がないのだと言いたかったが……言えない。それに、レベルが増しましたから! とも恥ずかしくて言えるものではないのだ。
だから、かなみは苦笑いをするしか出来なかった。
「その……、やっぱり特別、ですか?」
「ん?」
かなみには、もう1つ訊きたい事があった。だから、この場所に来たと言っても良いだろう。
「えと……、志津香、さんの事……です」
かなみが 訊きたかったのは、志津香の事だ。
ユーリの事を慕っている1人としたら、やっぱり気になるのだろう。志津香のあからさまな態度も、傍から見れば一目瞭然だ。誰がどう見てもわかる事だろう。……ランスは別として。
ユーリは それを訊いた後。
「……まぁな。オレの。オレ達を救ってくれた人達の忘れ形見なんだ。……志津香は。 あの当時のオレも幼かったから、志津香とは幼馴染と言ったところ、かな」
ユーリはそう言って笑っていた。
「あの時は、オレは何も出来なかったから。……今は」
そう言って、笑うユーリ。その顔はやっぱり優しい。……それ以外の言葉が見つからない。初めて見惚れた男性だったから。
「そう……ですか。私にとってはリア様の様な人ですね。……ユーリさん達からの印象は違うかもしれませんが」
かなみは、そう口にしたと同時に、少し表情を落とした。リアがしてきた所業、自身の使える主がしてきた所業の事を思い出しているのだろう。それを見たユーリは軽く笑った。
「……言っただろう? 環境は良くも悪くも人を変えるんだ。……だからこそ、これからだ。リアも。マリスも。……リーザスも。そうだろう? かなみ」
「……はい」
「ここを、カスタムを救う事が出来たら、リーザスの兵士達の洗脳も解くことが出来る。……解放の同士が増えるんだ。必ず、リーザスも救えるよ」
「……ユーリさんは」
かなみは、口を開く。訊いてみたい事はまだあったんだ。それは、この戦いが始まってから、ずっと、疑問に思っていた事でもある。
「ユーリさんは、どうしてそんなにも優しいんですか? ……今回の事だって、ユーリさんには」
「関係ない。か?」
「……はい。ユーリさんが助けてくれた、くれると言ってくれた事はとても嬉しかったです。本当に……。でも 今回の内容は極めて大きいです。国と国の戦争、そして解放なんですから。……なのに、
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