暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
意志
[1/10]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
〜〜Side of シャロン〜〜

ニダヴェリールが消失してから数日……。私はサバタさんから受け取った刀の扱い方をVR訓練で学びながら、マキナ達と仮初めの隠居生活を営んでいた。なぜVR訓練をしているのかというと、現実で刀を使うつもりは無くとも、使い方を知らなければ抜いても身を守れないからだと言われたためだ。あと刀は腰ではなく袋に入れて持ち歩いている。それと暇な時間が出来た時、私は地球の音楽や楽曲を聴いてたり、文化を知ろうと本を読んだりもしている。

あの日……気分転換のために、皆でフェデラルホールのジョージ・ワシントン像の前に来た時、徐に空を見上げて何らかの危機を感じたレヴィが咄嗟にサバタさんと同化した直後、世界中の魔力が吸収されていった。それで地球にいる間マキナも魔法が使えなくなるが、彼女のデバイスは実弾なら今でも問題なく撃てる。ひとまずPSG1とデザートイーグルの弾丸をマガジンに込めていくつか携帯しているみたいだけど、VR訓練であろうと個人的にはあんまり使ってほしくない。

一方でサバタさんは急ぎ無線機でエレンさんという女性に連絡を取った所、先の異変はファーヴニルのせいだとわかった。ただ……時々変な笑い声をあげるエレンさんにサバタさんはゾクッと寒気が走っていたが、無線機の向こうから戦闘機の爆音すらも生温い音が響いてきた事で思わず耳を押さえていた。とりあえず向こうは向こうで大変だとわかったため、早めに無線を終えてたけど、彼はしばらく耳鳴りが続いたらしい。

思い返せばサバタさんには、ニダヴェリールで出会ってから世話になってばかりだ。マキナの事だけじゃない……遺跡の時も、脱出の時も、彼がいなければきっとどうしようもなくなってた。私達の身に降り注いだ悪夢から、彼は身を以って守ってくれている。彼の純粋な想いが、私達の傷を癒してくれている。

でも……だからこそ疑問に思った。彼はどうしてあそこまで強いのだろう? 英気を養った後、サバタさんはファーヴニルとも戦うつもりだけど、私達の世界を壊した化け物を倒す事なんて正直に言って不可能にしか思えない。たかが人間の身で、世界を滅ぼした存在に勝てる訳が無い……。

なのに彼は勝つつもりでいる。その自信はどこから来るのか……どうして彼が倒すと言うと、本当にやり遂げると信じてしまいそうになるのか……わからなかった。外の世界には奪う事しか頭に無い人ばかりだと思っていたのに、初めて外の世界でも信じたくなる人が現れた。

大破壊の時……私は外の世界からもたらされた闇の書が全てを壊していくのを目の当たりにした。今でも忘れられない……桃色の剣士、赤髪の少女、犬耳の拳士、薄金髪の女性、その4人を吸収して現れた、銀髪の女性……。そして彼女の出現から、悪夢が始まった……。街が、家が、親が、人が、友が、大地が為す術も無
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ