目障りなヤツ!
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「サラ!早く支度して、もう開店時間になるわよ!」
あたしは自宅兼雑貨屋でもある店内で、開店準備をしながら妹のサラを呼んだ。
「ミレーヌ姉さん、そんなに急がせないでよ。パパだってまだ準備できてないんだし。」
妹のサラが眠たそうにエプロンをつけ店内に入った。
「遅いわよ、とっくにこっちは準備終わっちゃったわ。」
「姉さんが早すぎなの!まぁ、朝から元気なのはいいことだけど。」
「パパはまだ?」
「多分、トイレじゃないかしら?」
「もう、いっつもこの調子なんだから。…あ、もうお客さんよ!ジェームスさんだわ。」
カラン!というドアのベルの音と共に、近所に住むお得意さんのジェームスさんがお店に入った。
入り口近くにいたサラが第一声を掛けた。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ!おはよう、ジェームスさん。」
「おはよう、サラちゃん、ミレーヌちゃん。朝から元気いっぱいだね。ミレーヌちゃん、早速頼めるかい?」
「はい、どうぞ!」
「釘30本に、メモ帳2冊、オレンジの詰め合わせを2袋、卵2箱をお願いしたいんだが。」
「はい、ただいま用意しますね。」
あたしはカートを引きながら、それぞれの品物を取りに店内を回る。
「姉さん、ちょっと。」
品物を取り出している最中、サラが小声で話しかけた。
「ロビンさんがまた外から見てるわ。」
「ええっ!?こんな時に…!サラ、悪いけど代わりに品物を入れてくれる?レジの下に隠れさせて!」
ジェームスさんと目があったが、苦笑いで目を逸らしてくれた。
慌ててジェスチャーで頭を下げながら、レジの下に隠れた。
カラン!
「元気かー?乱暴女!」
ベルの音と同時に聞こえた嫌な声。
ロビン…相変わらず失礼な態度!
「いらっしゃいませ。あの、ロビンさん。姉さんはまだ…。」
サラが焦りながら、お店に入ってきたロビンという青年に声を掛ける。
「サラちゃん、相変わらず嘘が下手だねー。姉と違って素直でいいところだけどさ。」
「本当です、姉さんはまだ部屋の方にいるんですっ!」
「わかったわかった、そういう事にしといてあげるよ。ミレーヌ!妹に庇われて良かったな。また来てやるからな!今度はレジから出てろよ!」
そう言いながらロビンは店を出て行った。
「姉さん、もう大丈夫よ。」
「もうっ!なんでいっつもあんな暴言吐かれなくちゃならないの!?」
「レジにいる事バレちゃってたわね…。」
「いったいいつから覗いてたのかしら。腹立つーっ!!」
「ミレーヌちゃん、そろそろいいかい?」
ジェームスさんが気まずそうに声を掛けた。
「すみませんいつも…。すぐ用意します!」
会計が終わり、品物を抱えながらジェームスさんが話しかけた。
「ロビン君は、相変わらず頻繁に店に
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