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大統領の日常
本編
第三十八話 首都戦6
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しか入っていない便がいくつも転がっていた。元帥はそれを見てため息を吐いていた。
「報告を再開します。オッソラを出発した後はそのままロサンゼルスに向かい、同13日には近海まで到着、そこで皇帝派によるクーデターが起きたていることを知り、皇帝派と協力体制に入りました。その後、シヴァ、艦娘・深海棲艦連合艦隊とビッテンフェルト少将の第三独立艦隊に分かれ、それぞれ皇帝派軍と共同で貴族派軍と交戦、その途中で大統領と親衛隊を内火艇及び強襲揚陸艦3隻と護衛艦6隻を従えて新無宮殿に突入、本殿の制圧し艦娘宿舎も制圧、制圧終了直前に大統領が艦娘の一人に腹部を撃たれ、意識不目の重t・・・」
元帥が報告していると再びシュピードが席を立って話し始めた。
「艦娘に撃たれた!?艦娘は友好的な勢力ではなかったのですか!?そうだ、そのかわいらしさに大統領は洗脳されているに違いない!副大統領!直ちに軍を派遣して艦娘を拘束すべきです!」
さすがに二度目になると、他の委員長たちは今にも席を立ちそうなぐらいうんざりした表情を示した。それに気づくことなく永遠と話しつづけるシュピードをクロスムがため息を吐きつつやめさせると、元帥がこめかみをぴくぴくさせながら報告を続けた。書類を持つ前に右手が銃を握っていた気がするが、きっと目が疲れていただけだろう。
「報告を続けます。その頃第三独立艦隊は貴族派軍の殲滅に成功。貴族派軍の本体は皇帝派に合流した模様です。同時刻に沿岸では艦娘・深海棲艦が上陸作戦を決行。上陸後は市街地に突入し、新無宮殿にて親衛隊と合流し、大統領重体の報を艦娘・深海棲艦に知らせるために伝令を送っています。そして同時に第三独立艦隊と途中参加したシヴァへ知らせるために連絡艇も発進しています。現在、大統領が指揮をとれない状況にあるため、最上位であるハイドリヒ長官が指揮を執っています。シヴァと第三独立艦隊は新無宮殿上空に移動し、周囲の安全確認を行っている模様です。以上報告を終わります」
そういうと元帥は席に座った。

「・・・報告ご苦労・・」
クロスムがかすれた声で言うと、そばにあった水を飲みほした。
「これからについてだが、まず軍の規模については改めて話し合うとして、大統領の安全確保のために軍の出動を要請したい」
「それについてはこちらの方でも検討しております。軍の規模についてですが、飛空軍は侵攻部隊に回っていて半個艦隊程度しか出せません。海軍と陸軍が中心になるかと思われます」
元帥の言葉にクロスムは傾くと口を開いて話し始めた。

しかし、それは飛び込んできた一本の通信に遮られた。


「・・通信か、アイフェーン元帥だ。何かあったか」
『衛星管理部長のケリー少将であります。至急元帥にお伝えしたいことが・・』
私は元帥の横に座っていたため、少し電話からの声が聞こえた。

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