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大統領の日常
本編
第三十八話 首都戦6
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軽戦車部隊は、大通りの両脇にあるビルや、正面の公園で待ち伏せていた別同部隊によって超電磁砲や対戦車兵器の集中砲火を受けて逃げる間もなく鉄くずと肉片に代わって行った。

その後も妖精部隊はその小ささを生かした市街地戦を展開し、貴族派の部隊を次々に殲滅、降伏させていった。ディベル粒子によって通信機器が使えない状態であったため、妖精部隊はペルシャール率いるSSのいる新無宮殿へと向かった。


一方皇帝派の地上部隊は、首都郊外の防衛線を突破し、市街地へと突入していった。
しかし、そこではすでにクーデターの情報を聞いて蜂起した市民たちと貴族派軍の間で戦闘状態になっていた。
「今までやってきたことをそのまま返してやる!!」
「何が門閥貴族だ!帝国に寄生するだけのゴミ虫どもめ!」
蜂起した市民の中には憲兵隊も混ざっており、武器は大量にわたっていた。
「我ら優秀なる門閥貴族にたてつくなど言語道断である!帝国に楯突こうとする反徒どもは抹殺せよ!」
貴族派軍の指揮官である貴族はそういって戦車部隊に砲撃を命じたが、誰一人として撃とうとはしなかった。
「ええい!撃て!撃てというに!!」
そう叫ぶが誰もトリガーにさえ指をかけることはなかった。そして怒りでこぶしを震わせている指揮官のそばに副官が近づくと、
「我々は皇帝陛下に忠誠を尽くす兵士であって貴族の私兵ではない」
そう言って銃を取り出してその貴族の頭を撃ち抜いた。
「帝国に寄生する寄生虫どもに鉄槌を下す!皇帝陛下万歳!!」
副官は銃をしまうと部下に向かってそう言った。


その後も攻撃してくる貴族派軍の抵抗を排除した妖精部隊は新無宮殿にたどり着いた。しかし、そこで最初に聞かされた報告は大統領意識不明の重体の報であった。これを聞いた妖精部隊は直ちに艦娘、深海棲艦に伝えるために伝令を走らせた。

激戦が繰り広げられているその上空では、貴族派軍を殲滅させたロンディバルト軍が、シヴァを集結地点として集結していた。
そしてそこへ内火艇の連絡艇が到着したのはビッテンフェルトが報告のためにシヴァの艦橋についた直後であった。

「貴族派軍の別働隊の殲滅は完了した。我々は本体の攻撃に移らせていただく」
報告を手短に済ませて早々に敬礼して退出しようとするビッテンフェルトをハイドリヒは手で制した。
「その必要はない。既に本体は降伏して皇帝派についたとの連絡が来た。我々は大統領のいる新無宮殿に向かう」
「・・・了解した。では旗艦の方に戻らせてもr・・・」
「内火艇の連絡艇から急報です!!」
ビッテンフェルトの言葉を遮ったのはオペレーターの報告であった。
「急報だと?」
「はっ、新無宮殿の制圧中にミースト大統領が腹部に重症を負い、現在意識不明の重体とのこと・・・」
「な、なんだと!おのれ貴族
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