3部分:第三章
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」
「それはわかっていますよ」
お母さん狐は笑ってそれに応えました。寒いから子供達の為に手袋を買いに行くのです。それでどうしてそんなことが出来るでしょうか。お母さん狐はだから笑ったのです。
「それじゃあこれを下さい」
「はい」
お母さん狐が買ったのはお店で一番安い量だけは多い焼酎でした。それもとびきり強い焼酎です。お父さん狐も滅多に飲まないような本当に強いお酒です。お母さんはそのお酒を見て満足そうに笑っていました。
「このお酒なら」
お母さん狐には思うところがあったのです。そしてその思いを秘めたまま大蛇がいるという町の入口に向かいました。
町の入口にやって来ました。見れば鹿さんのお話通り大蛇がそこに寝そべっていました。
「あの、蛇さん」
「ん!?何か用かい?」
その蛇さんはとても大きな頭をゆっくりとあげてお母さん狐に顔を向けました。
「お渡ししたいものがあるのですけれど」
「私にかい?」
「はい、これです」
お母さん狐はこう言ってさっき買った焼酎を蛇さんの前に出しました。
「これをどうぞ」
「お酒か」
「はい」
見れば蛇さんの目の色が変わっています。実は蛇はお酒が大好きなのです。これは狐が油揚げが大好きなのと同じ位です。本当にこれには目がないのです。
「有り難う、では早速頂くよ」
「ええ」
蛇さんはその場でお酒を飲み干してしまいました。そしてすぐに高いびきをかいて寝てしまったのです。
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