暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第1章:修正の始まり
第1話「プロローグ」
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と胸に刻んどいてやる。」

「....一つ、だけ。」

  大きく息を吸い、感情をきっちりと込めてはっきりと言う。

「誰か、この狂った世界をぶっ壊してくれ...!」

「....あぁ。その言葉、覚えておいてやる。」

  撃鉄が起こされ、引き金に指がかかる。...あぁ、俺はここで死ぬんだな...。







     ―――ガァン!!





「な、なんだ!?」

  銃声にしてはやけに鈍く、そして響く音。誘拐犯達も事態が分からなみたいだ。

     ―――ガァン!ガァン!ゴガシャァン!!

「―――ここ!?」

  扉がぶち破られ、中に誰かが入ってくる。

「だ、誰だ!?」

「...っ!?篠ノ之...束...!?」

  入ってきた人物は、トレードマークであろう機械的なウサ耳カチューシャや不思議の国のアリスのような服ではなかったものの、紫っぽい長い黒髪のその人は、かつて俺を励まし続けてくれた篠ノ之束そのものであった。

「...束...さん....?」

「君は...君が....。」

  束さんは俺を見て、何かを呟く。....あれ?束さんの目って、桜色(・・)だったっけ...?

「...残念ながら、俺は篠ノ之束じゃない。」

「なに!?」

「え......。」

  よくよく見れば、今着ている病人が着ているような白衣からは、束さんにあるはずの胸がなかったし、目つきも若干鋭かった。

「くっ....!」

  男の一人が再起動して、銃を向ける。

「遅い!」

「がぁっ!?」

  けど、束さん(偽)は一瞬で男の懐に入り込み、銃を弾き飛ばし、背負い投げを決めた。

「なっ!?」

「はい、動くなよ?」

  その事に驚いたもう一人に、弾いた銃をキャッチして向ける。

「とりあえず、気絶してもらう。」

「うっ....。」

  あっさりと無力化し、二人を気絶させる束さん(偽)。

「...あなたは....?」

「俺...?俺は...そうだな...束の幼馴染って所か?」

「束さんの!?」

  幼馴染がいるなんて聞いた事...あ、そうだ。一度だけ、聞いた事があったっけ...?

     ―――「....私にはね、ちーちゃん以外にもう一人、親友がいたの。」

  ...あの“親友”が、この人...?

神咲桜(かんざきさくら)って言うんだ。...こんな名前と容姿だが、男だからな?」

「は、はぁ...?...って、男!?」

  こんなに束さんにそっくりなのに!?

「それで...君は、織斑秋十(おりむらあきと)君で合ってるね?」

「は、はい。
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