暁 〜小説投稿サイト〜
銀魂〜Sirius and Antares〜
第2話;小さいときのことってあんまり覚えてない
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
かは死んでしまうし、そのせいで誰かが必ず悲しむことになる。
確かに攻めてきたのは天人の方だ。屈服するなんてことは嫌だろうし、腹も立つだろう。
だけど、国を、人々を守る方法は本当に戦争だけなんだろうか。誰かが死ぬことになるのなら、いくら国の為に戦うと言ったって意味ないんじゃないかと思った。本当に天人とは戦争するしかないのか。天人と話し合って仲良くすることは出来ないんだろうか。
この頃の僕はこんな疑問でいっぱいだったが、もちろんこんなことを言い出せる雰囲気なんかじゃなかった。
戦争ってそもそもなんのためにするんだろう。戦争をして何かいいことなんかあるんだろうか。例え人間と天人とはいえども、同じ生き物だ。どうして同じ生き物同士で争わなきゃいけないのかなんてことも考えてた。
武家に生まれたのに何言ってんだ、って感じだけど。

そして答えが知りたくなった僕は、父に思い切って聞いてみたんだ。戦争はどうして無くならないの?って。
父は少し驚いた表情で僕を見たけど、すぐにいつもの気難しい表情に戻って、ただ一言こう言ったんだ。
「お前、人間の敵って一体なんだと思う?」

「え?」
僕は突然の問いに驚いて、答えることができなかった。父はいつになく真っ直ぐ僕の目をじっと見つめていたけど、やがて父は静かに部屋を出て行った。




あれから年月が経って、僕は15歳になった。どうして戦争は無くならないのか、なんて疑問はいつの間にか頭の中からは消え去って、毎日必死に刀を振るう毎日だった。どうにかして天人と仲良くできないだろうかなんて考えはいつの間にか消え去っていた。ただただ強くなることを考えていた。

あれから攘夷戦争の流れは大きく変わり、江戸城が砲撃を受けてから、まだたくさんの志士たちが戦っていたにも関わらず、幕府は天人に弱腰を見せ不平等な条約を結び、幕府は天人の傀儡と化した。今まで国を守るために戦ってきた志士たちは、今や幕府に見捨てられ、幕府にあだ名す国賊とされてしまったのだ。非情にも、各地で攘夷志士討伐命令が言い渡され、国内は内乱状態に陥った。今や国の敵は天人ではなく、攘夷志士となったのだ。
そして僕は15歳となった今、幕府兵として訓練を受けていた。数週間後に永禄山の方で攘夷志士達と僕達幕府軍の戦いが行なわれることとなる。
そして僕は初めて出会うことになる。
あの四人に。



[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ