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寄生捕喰者とツインテール
偽りある “衝動” の大火
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「すみません……本当はもっと早く来ていたのですが、介入するタイミングが見つからず……」
「良いって事よ会長! 来てくれただけでもありがたいわ!」
「ああ! さっきのタイミングもナイス! 助かったぜ!」


 テイルレッドとテイルブルー、先輩戦士二人の称賛とも激励とも取れる言葉で、テイルイエローの表情も少し和らいだ。


 場の空気を読んだか数秒開けてから、トゥアールより通信が来る。


『エリナさん! 見ていたのだし分かっているとは思いますが、敵は単純感情種! 能力は恐らく【物理攻撃のできる炎を操る】ものだと思われます!
 ただ例外無く腕の形から変わっていませんので、奇妙な搦め手は距離や幅のみにとどまりますよ!』

「ええ、中々に強敵そうですわね……」
「倒すなんて選択肢は省いた方がよさそうね」

『当たり前です! 防御に重点を置き、強力な一撃を入れて怯ませ、グラトニーちゃんが来てくれるまで耐える! コレが最善の策です!』

「耐えるっつっても……そこそこキツイんだけどな……!」


 戦闘の続行自体は可能そうであるが、テイルレッドもテイルブルーも武器による攻撃が主体な所為で、それなりにダメージを負ってしまっていた。

 今健在なのはテイルイエロー一人であり、遠距離特化の彼女の砲撃を主軸に行きたい所である。


「Huh…………tas bija jauki……」


 顔面にぶち込んで尚、普通に立って歩いてくるウージが実力の開きを嫌と言うほど思い知らせてくるが、ここでひるんでは余計に事態を悪化させるだけ。

 それをこの場に居る全員は承知しており、レッドは剣を、ブルーは槍を、イエローは銃をそれぞれ構えなおし、ウージを正面から睨み据える。


 ……どちらからともなく、戦闘は突発的に再開された。


「りゃあああっ! おらおらおら!」
「……」


 低身長から繰り出されし破壊力満点の火炎剣を回避しつつ、遠くから飛んでくる雷弾を叩き落す。
 下段の斬撃を踏みつけ両手を組み、飛来する銃弾を蹴散らしながらレッドの頭を打ちすえようとする。
 しかし、そうはさせぬと上段めがけてブルーの槍撃が幾度となく突きこまれる。


 赤き線の斬切に、青き点の刺突、そして黄色い面の弾丸が、美しい三色の光芒を引いて迫り、ガーネット色の火粉と炎光がそれらを上塗り撃ち消していく。

 かと思えば色の三現象たる彼女等の攻撃が吹き返し、瞬く間にガーネットの大炎へと変えられていく。

 一歩も引かぬ攻防が、三対一で繰り広げられていた。


「このっ! このっ!! このおっ!!」
「おりゃあっ! でらあっ!」
「……」


 剣が大ぶりになれば槍が入り込み、突き込み過
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