偽りある “衝動” の大火
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「すみません……本当はもっと早く来ていたのですが、介入するタイミングが見つからず……」
「良いって事よ会長! 来てくれただけでもありがたいわ!」
「ああ! さっきのタイミングもナイス! 助かったぜ!」
テイルレッドとテイルブルー、先輩戦士二人の称賛とも激励とも取れる言葉で、テイルイエローの表情も少し和らいだ。
場の空気を読んだか数秒開けてから、トゥアールより通信が来る。
『エリナさん! 見ていたのだし分かっているとは思いますが、敵は単純感情種! 能力は恐らく【物理攻撃のできる炎を操る】ものだと思われます!
ただ例外無く腕の形から変わっていませんので、奇妙な搦め手は距離や幅のみにとどまりますよ!』
「ええ、中々に強敵そうですわね……」
「倒すなんて選択肢は省いた方がよさそうね」
『当たり前です! 防御に重点を置き、強力な一撃を入れて怯ませ、グラトニーちゃんが来てくれるまで耐える! コレが最善の策です!』
「耐えるっつっても……そこそこキツイんだけどな……!」
戦闘の続行自体は可能そうであるが、テイルレッドもテイルブルーも武器による攻撃が主体な所為で、それなりにダメージを負ってしまっていた。
今健在なのはテイルイエロー一人であり、遠距離特化の彼女の砲撃を主軸に行きたい所である。
「Huh…………tas bija jauki……」
顔面にぶち込んで尚、普通に立って歩いてくるウージが実力の開きを嫌と言うほど思い知らせてくるが、ここでひるんでは余計に事態を悪化させるだけ。
それをこの場に居る全員は承知しており、レッドは剣を、ブルーは槍を、イエローは銃をそれぞれ構えなおし、ウージを正面から睨み据える。
……どちらからともなく、戦闘は突発的に再開された。
「りゃあああっ! おらおらおら!」
「……」
低身長から繰り出されし破壊力満点の火炎剣を回避しつつ、遠くから飛んでくる雷弾を叩き落す。
下段の斬撃を踏みつけ両手を組み、飛来する銃弾を蹴散らしながらレッドの頭を打ちすえようとする。
しかし、そうはさせぬと上段めがけてブルーの槍撃が幾度となく突きこまれる。
赤き線の斬切に、青き点の刺突、そして黄色い面の弾丸が、美しい三色の光芒を引いて迫り、ガーネット色の火粉と炎光がそれらを上塗り撃ち消していく。
かと思えば色の三現象たる彼女等の攻撃が吹き返し、瞬く間にガーネットの大炎へと変えられていく。
一歩も引かぬ攻防が、三対一で繰り広げられていた。
「このっ! このっ!! このおっ!!」
「おりゃあっ! でらあっ!」
「……」
剣が大ぶりになれば槍が入り込み、突き込み過
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ