序章3 サカでの戦闘
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に思わず更に距離を取ってしまった。
(!?)
先程と同じような感覚。威圧感と悪寒の様な寒気さからか、再び無意識にステップしていた。
「!?」
しかし2度目は上手くいかず、左腕がかすってしまった。
「くぅ………!!」
「ほう、声を荒げぬか………焼けるような痛みだろうに」
ゼハードが言うようにアレスの左腕は何かに焼かれたような痛みが襲い、動かすことが出来ないほどである。
(やはりあの槍………!!)
先ほど気づかない内に増えた傷の謎と左腕の傷の謎に気がついた。
「その様子だと流石に気がついたか。この槍は振るえばその度に空気の刃を作り出す。それは勢いが強ければ強いほど強力な刃を作り出す。それは身に染みて感じた筈だ」
「空気の刃…!!」
(もっと早く気がついていればこうはならなかったかもしれないな………)
そうアレスは思いながら右手の鉄の剣を握り直す。
逃げれば再びあの槍の一撃が、向かって行ってもダメージを与えられない。
まさに八方塞がりだった。
(初めてだな、ここまで追い込まれたのは………)
ふと今までの自分の人生が走馬灯のように蘇った。
(と言うより自分よりも実力が上で実際に手合わせしたのはリン位か………)
元々剣を扱い始めたのが遅かったのもあるが、自分よりも速く、華麗で、美しい妻の姿が思い浮かんだ。
(勝手に死んだらリン悲しむだろうなぁ………)
リンの涙を流す姿が思い浮かんで心が痛くなる。
(いや、怒って仇討ちに来そうだな………リンは気が強いし………)
鬼の形相で怒るリンの姿、そしてそれを落ち着かせようと土下座して謝る自分とゼオンの姿を思い出し、この状況下で笑みが零れた。
(何を弱気になってるんだか俺は……………)
不思議と気が楽になっていく。
そしてある事を思い出した。
(そうだよ、俺はリンと約束があるんだ。ここで死んでなんていられない!!)
リンとの約束………
それがアレスの絶望的だった気持ちが生き抜こうとする強い気持ちに変わっていく。
「はあっ!!」
「ふん諦めの悪い………」
左腕を庇いながらの攻撃。
スピードこそ落ちていないものの威力は落ちていた。
しかし………
「ぬぅ!?」
痛みを感じ、思わず男は後ずさった。
「やはり幾ら強固な鎧でも守りきれない部分はあるよな………」
「貴様………」
鎧と鎧の繋ぎ目、僅かな隙間ではあるが、そこをアレスは突いた。
鉄の剣の剣先が掠った程度だが、それでも初めて相手に傷をつけれたのだ。
「さあどんどん行くぞ!!」
「何度もそ上手くいくと思うな
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