第3章 リーザス陥落
第43話 奪われたリーザスの要と窮地のカスタム
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せ、負けるのなら早くに降伏したほうが良いと思えるのですけどねぇ」
その言葉を聞いた途端、ユーリの眼前には、志津香の顔。そしてあの時に見たラガールの顔も浮かんだ。負けるからと言って、降伏するはずがない。
そして、その『ひどい目に』と加藤が発言した時だった。
「ひどい目……? どうせ、負けるなら? ……馬鹿馬鹿しい、だと?」
突然、空気が裂けたかのような甲高い音が響いたかと思えば、加藤の居た席に忍者刀が突き刺さる。
「ひぃっ!!?」
「……オレの前でその言葉は二度と言うな」
目つきを鋭くさせて加藤を睨みつけているユーリが居た。
彼の目に映ったもう1人の存在。恩人である夫妻、惣造を殺し、アスマーゼを犯し……そして、母親を傷つけたあの男が浮かび上がった。
ユーリは、彼にとっては、ラガールの行為を止め、討ち滅ぼす為に放った一閃だった。
……だが、相手が違う。
一瞬だが、取り乱し 殺気を放ってしまったユーリだったが、驚き何も言えなかった2人、シィルとかなみを見て、完全に怯えきってしまってる加藤を見て、直ぐに正気を取り戻す。
幸いにも、席は奥であり、他の客は 過激接待を受けている為、気づかずに騒ぎにはならなかったようだ。
「……すまない」
「い、いえ……大切なお友達がいるのに、軽率でした……」
ユーリは忍者刀を仕舞い、詫びを入れた。
加藤自身もランスの連れと言うだけで、多少は警戒をしていた為 大丈夫だったようだが、謝罪されると思わなかった為 その事も少し驚いているようだった。
「ふん。何をやってるのだ」
「悪い」
「言っておくがな? アイツ等はオレ様の女だぞ? お前にはやらん!」
「それは、互の同意を得てから宣言してくれ。オレから兎や角は言わない」
「直ぐにオレ様に惚れるに決まっているのだ! がははは!」
ユーリが怒ったのを見たのは久しぶりの様な気がする皆。その怒りが誰かの為だから、誰も責めたりはしなかったのだ。
そして、かなみも……シィルから事を聞いた。カスタムには、ユーリと深い繋がりをもつ人もいるのだと言う事を。
「そんな事が……あったんですか」
「はい……」
「ユーリさん……」
かなみはユーリの後ろ姿を見つめた。
正直、最初こそはまた女の子が……?とも思えてしまった自分が情けなくも感じるのだ。
「私もお手伝いします! カスタムを救いましょう」
「ありがとう。……かなみ」
ユーリはそう言って笑っていた。
きっと、平常心ではいられない程だと思えるのに、それでも笑顔を見せていた。
「いえ!」
かなみは笑っていた。
あまりよくない考えだが、カスタムの町は、強固な防衛をできているとう言う事だ。
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