第3章 リーザス陥落
第43話 奪われたリーザスの要と窮地のカスタム
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、復讐を誓い合った間柄でもあるのだ。彼女を大切に想っているのは間違いない事だから。
……それが、彼女にとって喜ばしいのか、複雑なのかは判らないが。
「まぁ、凶暴なミリや志津香がいるんだ。大丈夫だろう。多分……」
「え? カスタムの町にお友達でもいらっしゃるのですか? しかし、もうダメかもしれませんよ? 完全に包囲されているって話ですし」
その話を聞いたユーリは、かなみの方を見た。少し……申し訳ない表情をしていたが、直ぐに表情を引き締め直し。
「かなみ、すまない。寄り道をさせてくれ。……アイツ等を見捨てる選択は出来ない」
「あ、はい。自由都市の町の解放は、ひいてはリーザスの為にもなります。それに、ヘルマン軍が襲っているのなら、私だって止めたい気持ちもあります。反対などしませんよ!」
かなみはそう答えた。
ユーリの口ぶりから カスタムには知り合いがいるんだと思えたようだ。……女の子じゃなかったら……と思えたが、それどころではない。危険な状態なのだから。
「ランス様……、マリアさん達、カスタムの皆を助けに行きましょう」
「がはは、オレ様がいなければ何も出来ない奴らだからな。恩を売るのも良いだろう」
ランスも、どうやら乗ったようだ。思い出したのだろう。カスタムには、以前の事件でも繋がりがあるし。ランスとしても、マリア達を失うのは我慢ならないとも思えるのだ。
「ハニー……加藤。カスタムは包囲されたと言っているが、それは持ちこたえているから、なのか? 情報はあるか?」
「あ、はい。カスタムの町は、かなり強固に防衛をしているらしいです。なんでも相手、ヘルマン軍は数1000にも及ぶ兵力を保有しているというのに、2,300人位で何回にも渡って撃退していると言う噂です」
「がはは、流石はオレ様の女達だ。ちょっとやそっとで、殺られるようなヤワじゃない」
「流石……だな」
ランスはそう言って笑っていた。ユーリも同様だ。
彼女達は騙されていたとは言え、元々はカスタムを守護する為の魔道士として、育てられてきた身だ。防衛術に関しても知識があるのだろうし、ミリ達もいる。
マリアの言う歴史に残る武器、チューリップが更に量産されて、機能をしているとすれば……確かに頷ける。
だが……。
「2,300でか……数の暴力だな」
そこが重要、最重要項目だった。
戦の要は、基本的に物量の多さがモノを言う。ゲリラ戦を仕掛けるのならまだしも、篭城戦となれば、この上なく戦況は悪いとも言えるのだ。
「はい。そうなんです。そろそろやばいのではないか、と言う情報もあります。あんなに激しく抵抗したら、征服された場合が、ひどい目に会いますよ。それを考えたら、今の防衛戦はバカバカしいとさえ思ってしまいます。どう
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