第3章 リーザス陥落
第43話 奪われたリーザスの要と窮地のカスタム
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ら、言ってるだろうが! 貴様にはやらん!」
「はいはい。一応期待してるんだから、やる気だせ。(なら、帰るって言葉出すなよ……学習してると言うよりは鳥頭だな。すぐ忘れる)」
ユーリはそう思っていた。
こと、女の事なら覚えているとも思えていたが……、例外はあると思うがランスの頭の中では 普段は、【面倒事>女の子の危機】の割合が強いのかもしれない。だが、美女(仮)が襲われる事を匂わせると、横取り?をする事を匂わせると……。
【美女、美少女>>面倒事】になるようだった。
それに、よくこの事を使っているが、正直規模が規模。負ける気はサラサラ無いが、ランスには天運のスキルがあるし、かなり使える。ヒトミをも凌駕するかもしれない天運だ。
ランスがいれば、奪回の可能性も大いに高くなると見ているのだ。
「はぁ……、リア様がランスを待ってなかったら、ユーリさんだけで良かったのに」
「オレのことを信頼してくれてるのはうれしいが、あまりランスを侮らない方が良いぞ? かなみ」
「はい。……わかってるんですがね……」
「まぁ、オレは慣れてくれとしか言えないからな……」
「はい。頑張ります」
慣れたくないと当初は言っていたかなみだったが、もうなりふり構ってられないのだ。
「それで、ヘルマン軍たちはどのあたりまで来ているんですか?」
シィルが戦争の状況の続きを聞いていた。
……加藤の話はユーリにとっても決して無視出来ない内容があった。
「2日前には隣町のラジールまで占拠されてしまいました。今はカスタムの街を攻めているハズです。次はこのカンラですが……町長は早々に降伏すると言ってますので、この町で戦争になる事はありませんよ」
「っ……」
ユーリは、カスタムと言う名を聞いて思わず息を飲んでいた。
それは考えうる事だと、何故直ぐに頭が回らなかったのかと嘆く。まだ、入った情報が少なすぎていたと言うのもあるだろうが、リーザスの軍を屠った圧倒的な武力を翳しているヘルマン軍であれば、必然的に狙うのは自由都市。そして、道順的にカスタムと当たる事も今考えれば想像するのは容易い。
「げっ、もう直ぐにここに来ると言うのか。ええぃ面倒くさい」
「ら、ランス様……カスタムと言えばマリアさん達が……」
「ん? そうだったか?」
ランスは、すっかりと忘れてしまっている様だ。あの極めて大きな仕事と言える大事件を。
封印された町の解放、そして 指輪に魅入られた魔女達の解放。……全ての元凶の討伐を。
だが、ユーリは忘れる筈も無い。
「志津香……」
ユーリは彼女の名前を口ずさんでいた。
………志津香、魔想志津香。
彼女は、嘗て大恩のある夫妻の娘でもあり、その死を共に目の当たりにし
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