暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン33 光の結社とアカデミア−2F−
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い子なんだよね、葵ちゃん。今回はそれがおかしな方向に向いちゃってるだけで。

「夢想」
「大丈夫だよ清明、だって。あの子は私が元に戻すし、たとえどれだけ時間がかかっても、それが終わったら私はあなたの隣に行くから、って」
「え?今……」

 こんな時でも男というのは悲しい生き物、なかなか男心をくすぐる台詞についちょっと期待に胸を高鳴らせてしまう。だがさすがの夢想もあの内容は言ってて気恥ずかしくなったのか、プイと首を振って視線をそらしてしまう。綺麗な青い髪がサッと流れて、ふわりといい香りが舞った。

「ほ、ほら。早く行ってよ、ってば」
「お願い夢想、一生のお願い!今のもっかいだけ聞かせて!」

 割と本気のお願いだったけど、残念ながらこっちもそれほど時間があるわけでもないのであまり粘ることもできない。葵ちゃんの目がさっきとはまた別の意味でとてもとても冷たいのには気づかないふりをしつつ、さっさとその場を離れる。
 ……これ全部終わったらあとで夢想拝み倒してもういっぺん言ってもらおっと。ついでに録音でもできれば万々歳だ。





 多分清明のことだから、拝み倒してでもあとでもう1回同じこと言わせようとするんだろうなあ。さすがに恥ずかしいからやめて欲しいのに、などと考えてため息をつき、まずは目の前の相手に集中しようと改めて前を向き直る夢想。すぐにデュエルが始まるかと身構えるが、その動きを無視して葵の方がふと思いついたという風にすっと合掌する。

「……?」
「ドーモ、河風夢想=サン。葵・クラディー=デス………うーん、やっぱり反応薄いですね。先輩なら確実に乗ってきてくれたんでしょうが」
「え、清明が?どういうこと?ってさ」
「いえ、ちょっとしたネタですよ。私もニンジャ使いの端くれですから」

 まるで意味が分からなかったが、何も今聞くこともないだろうとそれ以上の追及を諦める。今度清明とお話するときの話題の1つにしてみようかな、そんなことも考えつつデュエルディスクを構えた。

「「デュエル!」」

 先攻を取ったのは、葵。相手モンスターを除去したうえで上級モンスターを繰り出す超変化の術は確かに厄介だが、主力(ワイトキング)がレベル1の夢想としては普通のデッキよりもその恐怖は小さい。とはいえ、気を付けるに越したことはないのだが。

「このカードで勝負します。出でませ、機甲忍者フレイム!このカードは場に出た時、忍者モンスターのレベルを1上げることができます。この効果で自身を選択!」

 赤い装束に金属製の片手片足を持つ忍者が、音も立てずに葵の前に片膝をつく。

 機甲忍者フレイム 攻1700 ☆4→5

「カードを1枚伏せ、ターンを終了します」
「私のターン、ドロー!精気を吸う|骨の塔《ボーンタワ
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