暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
解かれる結び目
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 アルフリード達と合流した聖天女マリアは長い旅の果て、レゾネクトと共に異空間へ吹っ飛んだ。噂で聞いた話だが間違いない。あの頃からレゾネクトの気配は一切消え、強力な支配者に怯えてた悪魔がそれぞれ好き勝手な行動を始めたからだ。いちいち鬱陶しい神々が忽然と姿を消した時期とも一致する。
 だが、マリアはそれからほぼ二十年後に突然現れたアリアを知ってる。その上、アリアを神々が眠る世界へ逃がす為の仕掛けまで残した。
 「アリア」を「神々が眠る世界へ」。という事は、アルフリード達が吹き飛ばされた後でなければ作れない仕掛けだ。その時マリアはレゾネクトと一緒に異空間に居たんじゃないのか。
 ……いや。俺は眠る寸前にレゾネクトの声を聴いた。多分アリアとレゾネクトは俺を封印する前に契約してる。女神アリアが暴れ回ってた当時から奴は既にこの世界に居た。レゾネクトとマリアは吹き飛ばされた後に戻って来たと考えるべきだ。其処で、それぞれがアリアと遭遇した?
 クロスツェル曰く、神殿で聴いた少女の声は「アリアを殺せなかった」と言ったらしい。少女の声とやらがマリアの物なら、マリアはアリアを殺そうとした過去がある。それができなかったからマリアは仕掛けを残し、アリアはレゾネクトと契約する結果になった。
 神殿に刻まれた空間と、アリアの手に残らなかった結晶。何者かの眼球を元に作られた神殿への鍵。
 ……眼球?
 フィレスの家を出た後に現れたレゾネクトが関連を匂わせた黒い日記。手を故障したのか、目を負傷たのか……ある日を境に、明らかに大きさを変えた文字。その日の内容は「傷だらけの少女と出逢い、手当てした」。
 傷だらけの少女は、マリア?
 日記を書いた何者か……恐らくは堕天使がその日、眼球で鍵を作った。その鍵が一度アリアに渡ったと言うなら、マリアが傷だらけになった理由はアリアとの戦闘ではない。アリアとマリアは敵対関係じゃない。
 ……正確じゃなくて良い。前後に記された内容をよく思い出して俺自身の記憶と照らし合わせろ。時期や環境や情勢……世界的に何か共通する物は無かったか。この日付はいつ頃だった?

 ……アルフリード達が吹っ飛んだ……「後」。アリアが女神として現れる「前」だ。

 異空間から戻った傷だらけのマリアを堕天使が介抱し、鍵をアリアに託してマリアの本体は何処かへ消えた。此処に居るマリアは、アリアとレゾネクトの接触を知らなかった。鍵を残すまでアリアとレゾネクトの接触は無かったんだろう。
 って事はなんだ。この頃アリアはマリアの傍に居たのか。
 敵対関係でもなく、渡された鍵を手離すほどの関係?
 いや、鍵は「残らなかった」と言った。「手離してしまった」とは言ってない。鍵が手元を離れたのはアリアの意思じゃないのか?
 なら……


 「…………っだああ! 面
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ