色欲の最期。夢の始まり。
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でもフォルツが完全にヴァンパイアになる方法もある。」
「それが…トランス?」
「察しがいいね。アリスちゃん。そう。僕との合体魔法、トランスをすればヴァンパイアの力を全て解放出来る。ヴァンパイアの身体能力は凄いからね。身体に負担がかかる月華流も夢幻剣も使い放題!なんだけどね…。」
ニナはそう言って言葉を濁す。
「だけど代償もでかい。半ヴァンパイアの状態でさえ吸血衝動を抑えきれないのにヴァンパイアの状態になったらそれ以上だ。現に城館でも我を忘れてアリスちゃんの血を思いっきり飲もうとしてたからね。」
「あっ??」
そう言えばフォルツが気絶する直前、私の首元に口をつけようとしてた。
…あれは私の血を吸おうとしてたのか。
「…とりあえずそっちの話は置いておいて。
んであの変態はどこにいるんだよ?」
「ああ、それがね…。」
ゼツの強い問いかけに、ニナははあ、とため息を吐いて。
「逃げられた。」
「「「えっ??」」」
3人が同時に驚く中、ニナだけは冷静にため息をもう一度吐いて。
「…アスモディウス自身が言ってたんだけど。
…あいつの主というのが恐らくフォルツの探してる復讐の相手なんだ。
まあ、恐らくあいつが逃がしたんだろうね。ギルドの牢屋をみたらまるで夢の様に消えてたって眼をキラキラしてランちゃんが言っていたしね。」
「…まさか!」
ゼツはガタンとテーブルを叩いて立つとニナを睨む。ニナはそれを見てまたマジメな顔で。
「機械仕掛けの神ソーニャ。あいつだよ。」
「ふわぁ〜。」
「も、申し訳ありません。ソーニャ様。」
ラクーアの郊外にいるのは眠そうないつもの機械仕掛けの神ソーニャと。手足をなんとか再生したアスモディウスだった。
「まったく…。トランスしたとは言え、フォルツに負けるとは…。」
「…。」
「まあ、いいです。」
ソーニャは表情一つ変えないでくるっと回れ右をするとアスモディウスの前を歩きながら。
「夢の残滓。」
「??」
次の瞬間。アスモディウスに降り注いだのは様々な廃棄物。折れた斧、錆びた剣、先が潰れた槍。巨大なレンガ。それ以外の全てのガラクタがアスモディウスを串刺しにする。
「知ってましたよ?貴方が私を出し抜こうとしてゼツさんやリナさんを拐ったということを。」
「…??な、ん…。」
アスモディウスがその命を散らしかけてる所でソーニャは眠そうに、だが少し怒気を含んだ声で。
「ですが、それは墓穴を自分で掘りました
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