色欲の最期。夢の始まり。
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「んで、何から話そうか?」
あの後、ランの転移魔法でラクーナの酒場まで戻るとニナはニコニコ笑顔でマスター特製キャットフードを食べている。
ちなみにテーブルに座っているのはニナ、アリスそして…。
「とりあえず報告はちゃんと頼むぞ。ニナ。
…はあ、フォルツはなんでこんな時にいないんだ。ニナじゃなんか不安だ。」
「仕方ないよ…。私達を助ける為に吸血衝動を抑えてたんだから。」
そう言ったのゼツとリナの二人だった。かなり衰弱していたが元は丈夫な為、一日休んで直ぐに歩ける様になっていた。ちなみにフォルツは倒れたままだ。
するとニナはそれを見て。
「んじゃ。話すよ。」
それからニナはゼツとリナに話し始めた。前庭での事。本館での事。アスモディウスの事。
それを聞いてゼツはリナに向けて。
「すまない。リナ。あんな変態に囚われてるのに救えなくて。しかも俺までも…。」
「いいんだよ。ゼツ君が無事で本当に良かった。」
2人はそう言って言葉を交わし合っているうちにニナはアリスの所に来て。
「それでアリス。フォルツの事なんだけど。
おそらくこう考えたんじゃないかな?
『フォルツ・レープリカはヴァンパイアじゃないかか?』と。」
「…はい。」
「ヴァンパイアじゃねえよ。」
その言葉を遮る様にゼツが強い口調で言った。その言葉にビクッとなる。それを見てリナが慌ててフォローを入れる。
「えっとね。ヴァンパイアなんだけどヴァンパイアじゃないというか…。でもヴァンパイアなんだけど…。」
「半ヴァンパイア。それが今のフォルツだ。」
ニナがその言葉の答えを言い放つ。そうして説明を続ける。
「ヴァンパイアと人間。どっちつかず。それがフォルツ・レープリカ。
もちろん人間らしさもある。現に血だけじゃなくてここで酒やナッツを食しているからね。普通のヴァンパイアなら人の血以外の物を食べる事が出来ない。
だけどヴァンパイアらしさもある。数ヶ月に何回か吸血衝動が起こるんだ。」
吸血衝動…。アスモディウス戦の後にフォルツは確かに出ていた。その時のフォルツはいつもの他人を突き放す感じではなく。ただひたすらに私の血を求めていた。
「だからいつもこっそりリナちゃんやランちゃんの血をもらっていたんだけどね。美人の血の方が美味しいらしいし。」
「…聞いてねえぞ。それ。」
「ゼツ。大丈夫。私があげたんだし。首元を噛まれて大量に飲まれたわけじゃなくて、指をちょっと切った時の血を飲ませただけだから。」
「……まあ、フォルツの事だし。どこかのバカみたいに『付き合って!』とか言わないか。」
リナがそうやってゼツをなだめていると。ニナがゼツとリナに対してぺこりと頭を下げて。
ニナはバツが悪そうに説明を続ける。
「
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ