暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
脈打つ悪意
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を蹴破るようにスライディングしながら中に入り、同時にポーチの中から端末を取り出し、画面を見、マップの更新を待つ。
あと三秒……二、一、スキャン開始。
遥か上空を浮かぶ宇宙対戦時代のスパイ衛星が、地表をくまなく捜査していく。その電子の眼は、ちょっとした隠蔽物くらいなら容易く貫く。洞窟に隠れるか、あるいは水底に潜るかしなければ、監視から逃れることはできない。
ぱぱっ、と画面にいくつかの光点が浮き上がる。まず自身の一キロ圏内に存在するプレイヤーから確認しようとしたリラは、そこで思わず声を上げた。
「……ぇ、なに……これ?」
マップの下半分。
厳しい高低差がある峻厳な山々が連なった山岳エリアから、立ちはだかる遮蔽物全てを無視して圧倒的な速度で孤島を北に縦断する一つの光点があった。
この移動速度は、もはやプレイヤーには出せないものだ。現に、過去に一度戦ったことのあるGGO内で一番の脚をもつ《闇風》だってここまでの規格外さは感じられなかった。かといって、車やバイクといった地上走破型の乗り物でもない。この速度域はもはや戦闘機のような、飛行する速度ではなかろうか。
しかし、GGO内には飛行できる乗り物など実装されていない。あるのはバギーや装甲車、ホバークラフトなどであって、間違っても戦闘機などは存在しないのである。
もはや最重要チェック事項である、自分から一キロ圏内にいるプレイヤーの確認すらも忘れ、少女はたどたどしく画面をクリックする。
表示された名前に、リラは思わず、堪えようもなく、ここで己がずっと求めていた主戦場の真っただ中であるという事実も忘れて、どうしようもなく笑ってしまった。
【Lenhoh】
「……やっぱ、アンタを倒さない限りは終わりそうもないわね」
にっと、快活に笑った笑みは、そのまま指を操作し、自身の周囲にいるプレイヤーの確認を行っていく。
まず、一番近くにいる光点が、この田園エリアの北に面する大河で分断されている、北部の砂漠エリアの端に存在する《ラウザー》。そしてそれを早くも補足し、撃墜しようとするためか、更に北の砂漠エリアの中腹辺りから南下し始めた《闇風》。どちらも合間にある大河が邪魔をし、渡ろうとはそうそう思わないはずなのでここではスルーしよう。
次に南部方面。こちらは南西三キロ弱の位置を移動中の《ダイン》、並びにそれを追っていると推測される《ペイルライダー》。そしてその更に南西六百メートル前後に《シノン》と並んでいる。
予想では、あの憎ったらしい狙撃手は両者の戦闘が終わるまで待ち、勝者の方の頭をスッ飛ばす作戦に出るだろう。恐らくこのペースとダインの性格上から言えば、まず間違いなく今の逃走経路の延直線状にある鉄橋で銃撃戦となる。
―――となると、アイツ
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