兄弟の章
V
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ないんですか!」
祖母はアインガンに懇願するものの、アインガンは俯いたまま首を横に振るだけであった。
「あぁ…ケインや!こんな私たちを許しておくれ!何も出来ないなんて!マルクス、お前ばかりか孫まで先に逝かせねばならないなんて!」
この祖母の叫びにも似た言葉に、答える者はいなかった。
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