2部分:第二章
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第二章
「絶対に二つに割るんだよ」
「絶対にですか」
「それでそのそれぞれ一つを食べさせるんだよ」
御后様それぞれにと言うのでした。
「それだけは守って。いいね」
「わかりました。それでは割った一つを一つずつ」
「うん」
王様の言葉に頷いてみせます。
「それだけ。王様には立派な子供が授かるからね」
「有り難き御言葉。では早速」
「その子供、きっと立派な子供だから」
ジャラーは楽しそうに王様に話し続けます。
「楽しみにしておいてね。絶対だよ」
「はい、わかりました」
ジャラーはここまで王様に伝えると煙の様に姿を消してしまいました。後には何も残っていませんでした。やっぱり神様だけはあります。
こうしてジャラーから話を聞いた王様はすぐにそのマンゴーを二つに割ってその一つずつを御后様達に与えました。御后様達は喜んでそのマンゴーを美味しそうに食べました。すると程なくして。
御后様達はお腹が大きくなりました。しかも二人共です。王様はそれを見て満面に笑みを浮かべてこう言いました。
「これこそジャラー様の御加護じゃな」
「はい、その通りです」
「全くです」
御后様達も大喜びです。何しろやっと子供ができたのですから。嬉しくない筈がありませんでした。
「しかも二人共です」
「何と素晴らしいことなのでしょう」
「いやいや、これだけではないそうじゃ」
王様は二人の御后様にさらに言います。
「何でもな。生まれて来る子はな」
「生まれて来る子は」
「非常に立派な子供であるらしいぞ」
ジャラーが言ったことをそのまま二人に伝えるのでした。
「それはそれは素晴らしい子供だそうじゃ」
「そんなにですか」
「そう、そんなにじゃ」
その満面の笑顔で二人に答えます。
「だから。楽しみにしておくようにな」
「わかりました」
「では子供が産まれた時には」
「うむ」
笑顔はそのまま続くのでした。その笑顔でまた。
「思う存分祝福しようぞ。いいな」
「はい、御願いします」
「その時は」
「その時はもうすぐだのう」
このことも思い笑う王様でした。王様の上機嫌は何処までも続くと思われました。そうして子供ができてからと十月が経ち産まれると。何と恐ろしいことに。
「な、何ィ!!」
王様は産まれた子供を見て腰が抜けんばかりに驚くのでした。
「何じゃこれは、どういったことじゃ!」
「わ、私共に言われましても」
「何が何なのか」
御后様達も驚くばかりです。何と産まれた子供は。そう、子供達ではなかったのです。
産まれたのは一人でした。二人の御后様から一人の子供が産まれたのです。どういうことかといいますと子供は確かに産まれました。けれど産まれたのはそれぞれ子供を縦に二つに割った子供で。二人の御
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