暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第38話 仕事は早い者勝ち
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 キースは、ため息を吐いていた。ギルドとすれば、仕事がこなす事が出来れば正直誰が解決しても問題ない。ランスだけなら、あの2人よりも仕事をこなす事などは無理だろうと思えるが、今は後ろにあの男が控えている。

 本来、横取りをする様な男ではないが、今回は訳ありの様なのだ。

「おい、キース! さっさと言わないか、真の英雄であるオレ様とクズの差が判らない貴様ではあるまい」
「ま、良いさ。仮に無駄だったとしても 依頼さえクリアしてくれたらどっちに金を渡すのも一緒だ」

 キースはそう言うとインダスの依頼書をハイニに持ってくるように伝えた。
 その内容は、インダス書房の会長である《ジンゲル・剛・インダス》の娘、《ローラ・インダス》を救出すると言う事。彼女を無事に救出する事が出来たら報酬額2、300GOLD。

 依頼額を聞けば、お誂え向き、だと言えるだろう。

 ランスはそれを聞くと、シィルに依頼書を持っているように指示をだす。

 そして、かなみはユーリに聞きたい事があった。勿論 今回のバッティングの件、冒険者達の事だ。

「依頼額的には好都合でしたね。……あ、それと、先に行っていると言う2人は強いんですか?」
「ああ、ランスはああは言ってるが、間違いなく一流の冒険者で このギルドのエースだ。こなしてきた依頼も多い。と言うより、達成率100%を誇る一流の剣士の《ラーク》。そして、神魔法も使えるし 戦闘の腕も申し分ないヒーラー兼戦士の《ノア》 容姿端麗だし、人気があるから、名指し依頼も多いそうだ。……最近だったら 《魔獣カースA》の討伐、かな。 アイツ等の知名度を上げた1件だし。 兎も角、多方面に信頼も得ている冒険者達だ」
「う……、なら 今回も……」
「ああ、その2人が受けている以上、無駄骨になりそうだな」

 ユーリの言葉を聞いてがっくりと項垂れてしまったかなみ。
 ランス同様に、先に解決できれば、とも思えていたようだが、それは淡い期待だったようだ。

「ま、そりゃ 真実を捻じ曲げてる部分が多いだろ? ユーリ。お前さんの変なコンプレックスのせいで」
「……うるさいな! 横槍するな」
「え?? それは、どういうことですか?」

 キースは、ニヤニヤと笑っていて……、ユーリは何を言おうとしたか判った為、邪険をしていた。かなみは判らないから聞いてしまう。

「ん? ああ、自分の顔が売れるのが嫌だからって、ユーリのヤツは一緒に倒したくせにその事を辞退して、さっさと帰っちまったんだと。《カースA》を倒したときに」

 カースA討伐の件は、ユーリも一枚噛んでいるのだ。
 それは、正規の依頼ではなく、偶々居合わせただけだが、その時からラーク達とは親密になり、時には一緒に仕事をすることも有るほどになっているのだ。
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