第3章 リーザス陥落
第38話 仕事は早い者勝ち
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そもそもランスは一度仕事をこなすと金が無くなるまで仕事に来ないから ブッキングする事自体が稀である。……つまり、ユーリはそこまで思ってもおらず、何かあっても対処出来る自信があるから、問題ないのだが…… ランスとくんでしまうのは、基本的に、運が悪いと言う事なのだ。
「貴様の世間話に付き合ったら長い、だから手短に話す。少し金が入用だ。楽で役得があって、簡単に直ぐ終わって、報酬ががっぽりで、可愛い女の子をお持ち帰り出来る仕事を紹介してくれ」
「んなの、あるか」
「そんな良い話がコロコロと転がってるほど世の中甘くないぜ、ランス」
「はい。ユーリさん、ランスさん。お2人もどうぞ」
キースとユーリのダブル突っ込みにランスは、舌打ちをしていた。そして、奥から出てきたハイニが、4人に茶菓子を差し出した。
「ありがとう、ハイニさん」
「あ、私にもどうも……」
「ありがとうございます」
3人は礼を言っているが、ランスは何も言わず一気に茶を飲みほすと。
「ちっ、しけてんな。兎に角仕事を何か寄越せ、オレ様が見事に解決をしてやるから」
そう続けていた。これもいつも通りなので、ハイニは嫌な顔ひとつせずに、コップを片付ける。
「頑張りますので、良い仕事をお願いします! キースさん!」
「ん〜そーだな」
キースは、考え込むような仕草をするとニヤリと笑った。
「一足遅かったなランス。美少女救出と言う美味しい仕事があったのだが、さっき決まったんだ」
「何!? おい、キース! 何処の馬の骨だ。オレ様の仕事を横取りした命知らずは?」
「横取りって……、基本的に早い者勝ちだろう。それに、多分だが……、依頼を受けたと言うのはあの2人か? キース」
ユーリがキースにそう訊いた。ユーリが思っている2人は、もう前の仕事は終わっている筈だから、タイミング的には あり得ると思ったからだ。
「ああ、察しが良いな。ラークとノアだ。今回の仕事は彼らがしてくれると言う事になったのさ」
「げ! あの3流か!! いい加減ノアさんをオレ様に預けないと、直ぐに殺られてしまうと忠告しているというのに、まだ 馬鹿な事をしているのか! ええぃ、とっととその美少女依頼をオレ様によこせ!」
はっきり言って、ランスが何を言っているのか、判らないから、華麗に半分はスルーする。
とりあえず、ユーリ自身は、あの2人が行っている以上は 今回の仕事は難しいだろうとも思えていた。
「……だから、あの2人に渡したって言っただろう?」
「オレ様が先に解決をしてやり、そして報酬はオレ様が頂く。所詮この世は弱肉強食だ」
「……どこかで聞いたようなセリフをそのまま言ってるんじゃない」
ユーリはランスにそう軽く突っ込みをいれる。
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