第3章 リーザス陥落
第38話 仕事は早い者勝ち
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無い夜道には気をつけるんだな!」
「それ絶対にお前だろ?刺すのは? 自業自得だ。それよりどうするんだ? 金はあるのか?」
「がはは、勿論だ! 当然だろう!」
「……次の言葉、何を言うか、察してるぞ。間違いないだろう」
「そうかそうか! さぁ、とっとと払え、ユーリ!」
ランスは人差し指を ばーん!と指しながらそう言うけれど。
「……一言一句、間違えてなかったな。全く嬉しくないが。兎も角、オレは今は金は持ち合わせが無い。諸事情でな」
「なにーーっ!! 貴様から金を取ったらただの童顔冒険者では無いか! 下僕の癖に、自覚が足らんぞ!!」
「童顔言うな!!! それに誰が下僕だ下僕!!」
ユーリも応戦していた。
普段は冷静沈着である男だけれど……とある単語を言ってしまえば根こそぎ失われてしまうようだ。つまり《童顔》と呼ばれたら。『やかましいわ!!!』
「あぁぁ……聖鎧と聖剣が……」
「す、すみません。かなみさん……」
「シィルちゃんのせいじゃないよ……この馬鹿のせいで……」
かなみはがくっと項垂れてしまった。
ユーリは、怒ってはいたけれど この時ばかりは仕様が無かったのだ。口には彼は出さないが、説明をするなら家族が増えたからだ。ヒトミに外の世界を見せたいと考えたユーリは、ヒトミでは行くこと自体が難しい人間の世界を一緒に見て回ったのだ。
その時、色々と散財してしまったのが祟った様だ。
それに、依頼料も壊れてしまった為、半額以下で構わないと、自ら辞退をしてしまったのも祟ってしまったうちの1つだ。
「かぁぁ ぺぇっ! さぁさぁ、帰えんな」
「いつまでもいい気になるなよ、この糞オヤジが! ……そうだ、町で悪い噂を広げてやろう!」
「ガキか……癇癪を起こしてるんじゃない、さっさと行くぞ」
「貴様に言われたくないわ。さっきまでぎゃーぎゃー喚いていたくせに」
「……うるさい」
一向は、金が無い以上はここにいても無意味な為 早々に出て行く事にした。ランスとここのオヤジが一緒にいれば火に油だから。
「とりあえず、ギルドにでも行くか。そこが一番手っ取り早く稼げるだろ?」
「ちっ……ああ面倒だ」
ランスが渋々了承するのを見届けると、一行はキースギルドへと向かっていった。
〜アイスの町・キースギルド〜
一行はアイスの町、ユーリやランスが所属しているギルドへと到着した。
「おっ、ランスじゃねぇか。ユーリも一緒とは珍しいな。元気にやっとるか?」
「まぁ……色々とあってな」
同じ仕事がダブルブッキングする事はあっても、こう一緒にギルドに来たことは初めてだった。だからこそ、キースは驚いていてユーリは苦笑いをしていた。
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