追憶
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、現状では時間も人手も封印方法の捜索に当たったり、治安維持のため出動したりしていて、あなた個人に構っていられる余裕は無いの。私達だって休憩が終わったらすぐにまた捜索を続行しなければならないんだから、強くなりたいなら自分でどうにかしなさい」
「大体鍛えようにも、私達はミッド式で、ヤガミはベルカ式。魔法は魔法でもジャンルが違うっての。それに教わるんなら皆が忙しい中でも、あんたのためにここに留まっていた守護騎士から教わった方がはるかにマシじゃね? 覚えたいのが魔法じゃなくて近接戦術とかなら尚更そっちの方がうってつけだし。古代ベルカには色んな武術があるから、騎士達も何か一つぐらいは覚えてるでしょ? つうか騎士達もさぁ、ヤガミが心配だったのもわかるけど、少しはこっちの手伝いぐらいしてもらいたかったよ」
「わ、私は……細々とした探し物は苦手だ」
「うむ……主を守る事ならともかくな……」
「じゃ、邪魔しちゃあ悪いと思って……」
「私は患者さん達の治療の手伝いはしてたわよ? ホラ、一応治癒術師だし」
「いや、あんたら……それ結局何もしてないって自分から認めてる事になるよ? 湖の騎士以外は、だけど」
「全く……全員そろってなっさけないわね。騎士達には戦う事と主を守る事、主には仲間の事と強くなる事しか頭に無いわけ? やれやれ……またいらない頭痛の種が増えそう」
リーゼロッテさんはがっくりと肩を落とし、リーゼアリアさんは深いため息をつき、頭に手を当てていた。苦労してるんやなぁ、二人とも。……いや、今回は私達も苦労させとる原因やから、私が言える事でもあらへんけど。
「……で、あんたが強くなりたいって考えた理由は察しが付くし、別に止めはしないけどさ。そもそも現状で魔導師の実力を上げても、絶対存在とイモータル相手に役に立つかはぶっちゃけ微妙だよ、ヤガミ?」
「それでも……それでも強くならなければ、私の大切な人達を守る事が出来へん! もう誰も失いたくないから、私は強くなりたいんや!」
「なんか未来で誰かが同じ事を言いそうな台詞ね。でも一朝一夕で強くなるのはどう考えてもねぇ……。というかヤガミ、そもそも優先順位を間違えてない? 今必要なのはあなたの成長より、この緊急事態を乗り越えるための鍵……すなわちファーヴニルの封印方法なのよ。それが見つからない=この世界が終わる、って事も理解してる?」
「それぐらいわかっとる……! でも……守れなきゃ意味が無いやんか!」
「まぁそうだね。確かにヤガミの言う通り、守れなかったら意味が無い。だから皆、必死なんだよ。必死で、ファーヴニルの封印方法を探しているんだよ。大切な人達を失わないためにね……。来るべき戦いのために実力を付ける事もそりゃあ大事だけど、切り札も無しに自分達の力だけ
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